家族から暴力、職場のパワハラ…生活保護受給者になった女性の現実「60件も仕事の面接で落ち、私はもう無理」
生活保護を巡る議論が再び巻き起こっている。生活保護受給者は「家族に頼れないのか」と言われることもあるが、実は本人がDVや虐待を受けているケースも多い。
大阪府で生活保護を受けているユカリさん(仮名・32)も、そんな経験をした一人だ。父親は会社経営者、兄は公務員と「むしろ裕福な生活を送れていた」と語るユカリさんだが、身長140cmと小柄なことからターゲットにされ、兄と妹から日常的に暴力を振るわれていたという。
「高校に入ると兄にしばかれ出したんです。『やることが遅い。理解するのも遅い。イライラする。おったらむかつく』と言われて、週4回は殴る蹴るの暴力を受けていました。今は仲良しですが、昔は1つ年下の妹からも殴られていました」
高校を卒業してからは、一年間実家の手伝いをしたのち、父親のコネで3年間公務員として勤めた。しかし、若かったこともあり、ユカリさんは公務員を辞めてバイト生活にシフト。それが原因で父親との関係は悪化し、「お前は家にいる必要はない」とも言われたという。その後、しばらくバイト暮しをしていたが、兄の暴力はエスカレートするばかり。さらに3年前のある日、バイト先のスーパーでもトラブルが起きた。
「主任が包丁を手にしながらおどけていたので、『危ないですよ』と注意したら逆ギレ。『刺したろか?』と言われたんです。店長にもパワハラを相談していたところでした。その夜には再び兄からボコボコに殴られ……。家にも職場にも、私のいる場所はなかった。朝方に所持金3万円を持って家を飛び出したんです」
昼間は公園やマクドナルドですごし、寝るときはネットカフェに移動していたユカリさん。しかし、所持金は4日で尽きてしまった。
DVと職場のパワハラで家を飛び出す

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