ライフ

家族から暴力、職場のパワハラ…生活保護受給者になった女性の現実「60件も仕事の面接で落ち、私はもう無理」

DV被害者に「家族に頼れる人はいませんか?」

 追いつめられたユカリさんは、ネットカフェで宿泊施設を検索し、DVなどで避難した女性専用のシェルターがあることを知った。しかし、区役所で紹介されたシェルターの生活は過酷なものだった。 「そのシェルターは女性向けだったんですが、ヤクザの嫁、覚せい剤依存者、現役のヤンキー……。とにかく初めて接する人たちばかりでした。そんな共同生活に馴染めなかったんです」  3食提供され、交通費で毎日300円支給されるものの、耐えきれずに1週間で飛び出すことに。その後、別な地域のシェルターで3週間すごし、ユカリさんは生活保護を申請した。  家族からは暴力を受け、職場にも居場所はなく、シェルターを転々とする生活……。生活保護を受ける資格は十分あったが、助けを求めて訪れた窓口では難色を示されたという 「『家族で頼れる人はいないか?』と言われました。さすがに暴力で逃げた身なので、担当者も理解を示してくれましたけど……。今は生活保護で月に10万8000円もらっていますが、精神的なストレスから病院に通っています」  家庭、職場、窓口での経験から、人から捨てられるという衝動が芽生え、なかなか外にも出られないというユカリさん。これまで、ほとんどお酒を飲まない生活だったが、「人が嫌で会話もしたくない」と生活保護を機に大半を酒代に使ってしまうようになった。家賃は3万円、電話代や光熱費が約1万6000円で、食費はほぼなく、ご飯は1食で茶碗5分の1ほど。お酒で気を紛らわす毎日だそうだ。 ⇒【写真】はコチラ(生活保護で暮らす部屋)
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1286310
「仕事も探しましたが、1年で60件もの面接で落ちて、『私はもう無理』となってしまいました」  公務員として3年間、コンビニ店員として4年間働いた実績のある彼女だが、世間は冷たい。身長が低く重い物が持てないという誤解や勝手な憶測で「仕事ができない」と烙印。面接では頭ごなしに否定されてしまうという。ユカリさんの生活保護脱出への道は険しい。 取材・文・撮影/加藤 慶(スタジオKEIF) 構成/林 泰人(本誌)
1
2
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート