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同性愛者が「同じお墓に入れない、喪主になれない」問題をどうするか? 仏教が取り組むLGBT向け“終活”の斬新さ

「同じお墓に入れない」「喪主になれない」問題

 講演後は、LGBT当事者と僧侶がひとつのテーブルについて座談会が行われた。 LGBT当事者と僧侶の座談会 当事者からは、「入籍ができないので喪主になれなかったり同じお墓に入れなかったりするのかと不安」「お墓や葬儀のことはまだまだ先で想像がつかないが、お寺が自分たちのことをきちんと考えてくれるというのは安心できた」といった声が聞かれた。  證大寺の広報を担当している船井隆作氏は、今回のLGBT座談会の趣旨を以下のように語る。 「(LGBTについて)教えに無いから何も考えなくていいなんてことはありません。お釈迦様の時代には、スマホも飛行機もありませんでした。教えにないことこそ、教えを当てはめながら私たちが自分自身の頭で考える必要があります。この座談会で、性的少数者の方々が何に悩んでいるのか、どんな気持ちなのかを教えてもらい、お寺ができることを考えていきたいです」 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1318474 LGBT当事者と僧侶の座談会 受付の横には、昨年10月に完成したお墓「&(安堵=あんど)」の見本が設置されていた。LGBTを含め人の多様性を認め、サイトには「埋葬者の間柄を問わない自由な二人のお墓です。二人が一緒に埋葬される個別性を大切にします」と書かれている。

広がるLGBT「終活」の手助け

 実は、LGBT当事者に対して「終活」の切り口からサポートを始めたのは寺だけではない。  3月21日には、海洋散骨を行う企業が運営している「ライフコミュニティカフェ BLUE OCEAN CAFE」(東京都江東区)で、参加者をLGBT当事者に絞った「お葬式&海洋散骨セミナー」が開催された。  多様性の時代、学校や病院だけではなく、人生の最期に携わる業界もLGBTの問題に柔軟に対応できる準備をし始めているようだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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