更新日:2022年10月24日 01:05
エンタメ

マッチョなヘヴィメタル・シーンで繰り広げられる嬢メタル戦国時代…Aldious、DESTROSE、BRIDEARらがシノギを削る

嬢メタル・バンドの最強のBRIDEAR

 この流れで次はBRIDEAR。2011年に結成されたBRIDEARは、福岡出身の5人組ガールズ・メタル・バンド。すでにヨーロッパ・ツアーを3回行なっており、世界にもっとも近いバンドと言えよう。メンバーのキャラ立ちと作曲能力の高さも相まって、筆者は嬢メタル・バンドの中では最強と思っている。

メロスピ系楽曲の殺傷力は、X JAPANやHELLOWEENに勝るとも劣らない最強の嬢メタル・バンドBRIDEARの1stアルバム『BARYTE』(2016年)

 Cyntiaは、2012年にシングル「Run to the Future」にてインディーズ・デビュー。2ndアルバム『Lady Made』(2013年)でメジャー・デビューした。TVアニメ『聖闘士星矢Ω』のオープニング(OP)テーマ「閃光ストリングス」や、同じくTVアニメ『テンカイナイト』エンディング(ED)テーマ「勝利の花束を-gonna gonna be hot !-」ほか、多くのタイアップがある。ヴォーカルのSAKIは、バンド加入以前はアイドル・タレント活動を行なっていた。  嬢メタル・シーンでは、彼女らの他にも多くのバンドがシノギを削っているわけだが、アイドル市場、ガールズ・バンド市場、嬢メタル市場など若い女性で構成されたコンテンツの数はあまりにも多い。  その反面、音楽ソフトに金を出す消費者・リスナーは減っているのだから、他人事ながら大変だと思う。筆者の属する出版産業にしても、紙媒体は衰退している。嘆くことは簡単だが、それよりも新たな市場を開拓していかねばならない。

ジャンルの「壁」を破壊し、閉塞した社会に光を

 筆者は、オタクカルチャーとジャパメタの融合には、新たな可能性が眠っていると考えている。ヘヴィメタルが誕生した80年代以降、両者に濃い関係があったことは、これまで述べてきた通りだ。であれば、両者には、一刻も早く、ジャンルの「壁」を破壊してほしい。そして、閉塞した社会に光を灯してほしい。  近年、アイドルとメタルの「壁」を破壊して両者の要素を融合させ、世界進出し、さらに“ラウド系アイドル”というジャンルを作り出したグループが登場した。成功例はすでに存在しているのだから。
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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