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米朝首脳会談の決裂は想定通り!? 誰も現状打破を望んでいない/倉山満

 そもそも、外交交渉における「成果」とは何か。自らの何らかの国益を譲歩することである。仮に一方的に要求をのませるとしたら相手の恨みを買う。それは降伏要求であって、外交ではない。北朝鮮は中露を後ろ盾にしている限りアメリカに譲歩する必要もないし、逆にアメリカだって同じだ。  今回の交渉は、続けること自体に意味があったのだ。  さて、わが日本はどうか。安倍晋三首相は、トランプ大統領に拉致問題の解決を要請したとか。そして、拉致問題の解決なくして1円も北に資金援助はしないとの立場を伝えたとか。当たり前だ。これまでの外交では、その当たり前のことを毅然とできなかったからと安倍外交を称揚せねばならないとしたら、情けない。  今の日本は現状打破を望む必要はない。交渉で被害者を取り返せばいい。全員奪還が我が国是だ。だが、北は何人かを帰して幕引きにするカードをちらつかせてきた。日本に独自の軍事力がないから舐められているのだ。  日本の道は、防衛費増額しかない。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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