逆ギレ弁当、マジ卍弁当…珍名弁当が話題の地方スーパー、社長の意図は?
逆ギレ、マジ卍、万年学生、超高速コサックダンス、上上下下左右左右……。一見すると無関係な言葉の羅列に見えるが、じつはある共通点がある。これらはすべて、とあるスーパーが販売しているお弁当の名前なのだ。
ユニークな名前のお弁当の名付け親はウメコウジとナガノヤ。株式会社永野が宮崎県内に10店舗を展開するご当地スーパーだ。かつては知る人ぞ知る地方のスーパーチェーンだったが、ユニークな名前のお弁当がSNSを中心に話題になったことで人気が爆発。全国にその存在が知られることになった。
「他県のお客さまから、ぜひうちの地元にも出店してほしいと、ありがたい言葉をいただきます」とは、ナガノヤ芳士店の店長を務める甲斐丈寛さん。もともとは変わった名前のサンドイッチを発売したところ話題となり、そこからユニークな名前のお弁当が誕生したという。
「’19年2月に、“食べづらいサンドイッチ”という商品を発売したのが始まりです。最初は“野菜たっぷり彩りサンドイッチ”という名前だったのですが、試食した社長が食べづらいから、“食べづらいサンドイッチ”にしようと言い出したんです(笑)」
食べづらいサンドイッチは、厚さ約10cmの中に、野菜を中心に具材がぎっしりとつまったボリューミーな逸品。1個あたり300gと食べごたえがあるわりに、価格が180円と安く、財布に優しいのもうれしい。欠点を逆手に取ったネーミングも相まって、徐々に人気の商品になっていった。
食べづらいサンドイットが好評を博したことから、新商品のお弁当にも社長自らが一風変わった名前を付けるようになった。こうして生まれたのが冒頭に紹介した逆ギレ弁当(250円)、マジ卍弁当(499円)、万年学生弁当(399円)、上上下下左右左右 弁当(573円)といった変わり種だ。お弁当のほかにも、逆転満塁ホームラン餃子(299円)、送りバントのたれ(198円)、ドラゴンいなりの鉄拳(38円)、羽交い締め唐揚げ(100g/109円)など、お惣菜もユニークな名前の商品が並ぶ。
「“食べづらいサンドイッチ”は、名前にちゃんと意味がありましたが、お弁当やお惣菜の名前には意味がありません。うちの社長がフィーリングで決めていて、社長は『お客様それぞれの解釈で楽しんでほしい』と話していました。狙ったわけではありませんが、『コロナ禍の中で笑顔になれた』と、お客さまからはうれしい反応をいただいています。まだたいへんな状況ではありますが、従業員一同、モチベーションが上がっています」
●きっかけは「食べづらいサンドイッチ」
●ふざけているような名前でも中身はいたって真剣
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