現役美人レースクィーンが語る「厳しい現状」。ノーギャラ、交通費自腹のケースも
―[山田ゴメス]―
かつてまだ、商社だとかテレビ局だとか広告代理店がバブっていたころ、「レースクィーン」はスッチー(現CA)を越える合コンの“高嶺の華”であった。そんな時代も今は昔……。最近は「レースクィーンやってます!」って子をグラビアや飲み会でもとんと見かけなくなった……と思いません? 今日は、2014年まで「スーパーGT」のレースクィーンを務めていたタレント兼モデルの渡瀬茜ちゃん(27)に、その“厳しい現状”をぶっちゃけていただいた!
――茜さんって、レースクィーン歴は長いんですか?
渡瀬茜(以下、茜):最初に始めたときはまだ高校生でした。(地元が三重県なので)名古屋で読者モデルをやっていて、それがきっかけで近所のバイク屋さんに誘われ、レースクィーンのようなことをしていたので。鈴鹿(サーキット)も近かったですし……。だから、長いと言えば長いのかな? 一時期、芸能活動をやめていた時期もあったので、あいだは少し空いているんですけど……。
――レースクィーンを取り巻く環境は、茜さんが始めたころと変わってきている?
茜:正直な話、かなり変わってきていると思います。今でも私は握手会やサイン会によく行くんですけど、「レースクィーン」という肩書きに惹かれるファンの方は、あきらかに減ってきている印象です。まだ勢いがあったのはAKB48さんがブレイクする前で、ここ何年かのアイドルブームによって、お姉さんタイプが主流のレースクィーンが流行らなくなったんじゃないでしょうか? あと、私たちのファン層は、カメラを趣味にして写真を撮ってくださる男性が多いんですけど、近ごろはそういう遊びをされる方々自体が減ってきたのかもしれません。
――なるほど。物量作戦でグラビアがAKB48グループに独占されたっていうのもありますしね。それに加えて、レース、モータースポーツも下火になってきて……?
茜:たしかに、年々お客さんが入らなくなってきているみたいです。悲しいですけど……。当然、レースクィーンのギャラも相当下がってきています。ノーギャラで交通費も自腹なんてケースもあったりするそうすから。私は運良くけっこういい条件で働かせていただいていますが、それだけで食べていくことはできません。(レースの)シーズンが3月・4月から11月あたりまでと限定されていますし、そのなかでも予選・決勝合わせて、私たちがお仕事するのは多くて月に2日間くらいなので。
――交通費も自腹なんですか!?
茜:そこはチームによってさまざまだと思います。昔だと、新幹線や飛行機で前日入りしてホテルで宿泊……が普通だったのに、今は当日入りだとか、決勝にしか呼ばれないだとか……事務所が車を出し、何時間もかけて現場まで行くことも珍しくありません。泊まりが絶対に必要な場合は相部屋で二段ベッド……みたいな笑えない話も同業のレースクィーンから耳にしたことがあります(笑)。私のチームは本当に良くしてくださってますし、全部のチームがそういうわけではないんですけどね。
――そこまで過酷な条件だと、レースクィーンをやりたがる子なんて、もはやほとんどいないのでは?
茜:それがそうでもないんですよ。やはり、ステイタスの部分はまだまだ大きくて……。とくに国内の4輪モータースポーツの最高峰である「スーパーGT」は、今でもプロフィールに加えるだけでDVDの営業に影響があったり、売り上げが違ってくるとも聞いたことがあります。また、コアなファンの方は、減ってきたとはいえ健在ですから。それこそ全国を一緒に回ってくださって、推しメンを作っちゃうんです。ここだけは昔から変わらない。たぶん、AKBさんよりもそういう文化は古いと思います。「元祖・会いにいけるアイドル」的な(笑)。
――チーム入りするための倍率も高いんですか?
茜:GTだと今でもすごく高いはずです。オーディションは毎年あって、軽く50人は来ているんじゃないかな? 書類選考で落とされた子を含めたら、もっとすごいことになる。そのなかから選ばれるのは最大で6人まで。そして、“なりたい子”の人数が減るスピード以上に、チームが少なくなってきて、しかもそのチーム内で採用される人数も減ってきているから……。むしろ競争率は昔よりも激しいのかも?
――ますます過酷じゃないですか! それでも茜さんはレースクィーンを続けたい?
茜:私はやっぱりクルマが大好きなんですよ。グランドフィナーレで全部のクルマがばーっと並ぶ瞬間がたまらないんです。その場にいると、つい「来年も観たい!」ってことになっちゃう(笑)。
――とは言え、一生レースクィーンを続けるわけにもいかないですよね?
茜:そりゃそうですよー(笑)! でも、グラビアやファッションの世界を見れば、2年くらい前から私みたいな王道のレースクィーン系のお姉さんタイプが若干盛り返してきているので、これからは自分のあけすけキャラをじわっと出しながら、セクシーとのギャップを売りにして、将来的にはコントとかに挑戦してみたいですね。
――わかりました。では最後にレースクィーンの魅力を日刊SPA!読者の皆さんにアピールしてください!
茜:最近はレースクィーンだってアイドル化の時代なんです。従来の「美脚命!」な女豹っぽい子ばかりじゃなく、アイドルっぽい顔立ちで小柄なムッチリ型の子も増えてきました。ファッションもすごく変わってきて、ぶりぶり系のコスチュームもいたりするので、いろんなタイプの“新しいレースクィーンのかたち”を、サーキットまでゼヒ一度観に来てくださいネ。 <取材・文/山田ゴメス>
【渡瀬 茜(わたせ あかね)】
1987年三重県生まれ。2011年スーパー耐久レースクィーンから本格的にレースクィーンとして活動を開始し、2014年まで「スーパーGT」のレースクィーンを務める。現在は、バイク雑誌『VIBES』のイメージガールで「VIBES FOX」のメンバーとして活躍中。特技は大型二輪バイクでのスラロームと強肩から放たれる2塁盗塁阻止。5月29日、イメージDVD第2弾『渡瀬茜~美脚コレクション~』がグラッソより発売! 6月14日(日)15:00より、DVD発売イベントがソフマップMB館にて開催決定!!
ブログURL:http://ameblo.jp/wataseakane/
twitter:@wataseakane1大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
『渡瀬茜~美脚コレクション~』 彼女の自慢の脚とヒップラインをクロ-ズアップ |
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