イマドキ男子は勝負パンツにかける気迫が萎えている?

 株式会社ワコールが、自社サイトにおいて全国のインターネットユーザーの男女2558名を
対象に実施した「勝負下着に関する意識調査」についての原稿を日刊SPA!で書いたのだが、
コレ、じつは続編があるのです。

 前回は“女性の勝負下着観”が中心だったのに対し、本稿はおもに“男性の勝負下着観”について言及。供給側が一方的に発信する、都合の良い分析・論調に、かつては“勝負下着評論家”としてならした……との噂もある山田ゴメス氏が噛みついた。そんなゴメス氏に、またまたゴメス記者が独占インタビューを敢行!

……といった体裁である!!

まあ、読んでけろ。

ゴメス記者(以下──)ワコール調べによると、

「あなたは勝負下着を持っていますか?」という問いに、
「はい」と答えた男性は58.5%

さらに、「いいえ」と答えた男性でも、40%近くが「今後購入予定」
または「欲しいけど、どれがいいかわからない」と答えていて、

「(勝負下着を)現在は持っていないながら、所有願望のある男性も多い」

としていますが?

山田ゴメス(以下ゴメス) ふ〜ん。そりゃイマドキの男子は、勝負下着の一枚や二枚くらい持ってるでしょ? 僕も持ってるもん。

──ほう。どんなヤツですか?

ゴメス ライトブルー地にみうらじゅんのカエルキャラが散りばめられてるヤツ。生地のフィット感も最高でさ。3千円くらいしたよ、たしか。

──それって、まぬけっぽくないですか?

ゴメス バカ! 我々40代50代はね、カッコよさだとかシブさで攻めたって、
イイおじさんで終わっちまうんだよっ!! 

本気で女子を落としたいなら可愛さで攻めなきゃ。

勉強しとけよ、そのくらい!

──はあ……。勉強不足でした。

ゴメス あと、白いパンツを勝負下着にするのは命取りだからね。だって我々くらいの年になるとシモもユルくなってくるじゃない? 

すぐ股間とか肛門回りが黄ばんだり茶ばんだりしちゃうからさ。

どうしても白でいきたいなら、きちんとシャワー浴びて、そっからセックスにいたるまで一度もトイレに行かないぐらいコンディションの良い日限定ってことで。ひゃはは!

──で、話を戻しますけど、
「最近いつ勝負下着を着ましたか?」という問いに対して

25.1%、つまり4人に1人の男性が「1週間以内」

と答えたそうなんですよ。ちなみに女性に同じ質問をしたところ、
結果は5人に1人(20.8%)で、男子のほうが頻繁に勝負下着を着けている、と。

ゴメス 1週間に一回も勝負の日が来るなんて、どんな私生活送ってんだよ。
オマエはAV男優かっつーの!

──期間を「1ヵ月以内」まで広げると、じつに6割以上の男性(女性は5割強)が
「勝負下着を着た」と答えています。なので、ワコールさんは、

「草食系と言われている男性も、本当は勝負する準備は出来ているということが言えそうです。ホワイトデーを控えたこの時期、女性は“勝負”を仕掛けるチャンスかもしれません」

と、推論を述べています。

ゴメス むしろ逆なんじゃねーの!? この数字って、完ペキ

イマドキ男子の草食化

を表してるじゃん!

──な、なんでですか?

ゴメス そもそもさぁ、「この子はヤレるかも?」みたいな女子と、1週間に一度デートできるヤツが4人に1人も、1ヵ月に一度デートできるヤツが6割以上もホントにいると思う? 

無理無理無理無理〜
無理っしょ、絶対!

せいぜい、1ヵ月に一度が1割弱ってとこじゃないの? 
僕なんか2年くらいありませんよ(遠い目で)。ってことは、イマドキ男子は、

お話しておしまい、みたいな関係の女子とメシ食いに行ったりするときや、
さして勝ち目もない合コンとかにも、無駄に勝負パンツを着ていく。

ただそれだけのことですよ。じゃないと、僕が報われない……でしょ。違う?

──「違う?」って言われても……。

ゴメス つまり、

勝負パンツが、女子と合うときの“身だしなみ”に成り下がっている

ってこと! 

──それが“草食化”とどう繋がるんですか?

ゴメス あのね、僕らが若いころの勝負パンツってのは、
もっと“勝負っ!”って感じだったわけよ。

言わば“神”ですよ“神”!

もっと、こう神格化されていたっていうか……。来たるべき決戦のために、箪笥の奥にとっておきの一枚をしまっておいて……。それまではダメパンツで頑張って回してしてつないでさ……。で、イザ身につけるときには「パンパン!」って柏手打ったりして……。

──すごいですね。

ゴメス いや、柏手はオーバーだけどね(笑)。いずれにせよ、
「今日はヤッたるで〜っ!」って、狩猟民ならではの気迫が勝負パンツに宿っていた。

──気迫、ですか……。

ゴメス 第一、僕らの時代は見たくれを少しでも良く見せようってことに精一杯で、中身(パンツ)にまでお金まわす余裕とかなかったし。“勝パン(=「勝負パンツ」の略)”なんて、一枚買うのがやっとですよ! それが今はなによ!!

「今日は女性と会うから、
エチケットとしてパンツも
ちょっとランクアップしとくか……」

程度の心がまえで何枚も持ってる勝負パンツはいちゃうわけでしょ? 
ヘタすりゃ「ローテーションの一角に当たっちゃいましたー」みたいな。

これを「草食化」と呼ばずに、なにを呼ぶ〜っ!?

──わ、わかりました!

ゴメス でもさ……、不思議なことに、ダメパンツはいて肩の力が抜けきってるときにかぎって、たまたま会った女子とヤレちゃったりするんだよね……。

──得意の“パチンコはお金持ってるときのほうがナゼか勝てる”理論ですね?

ゴメス そうそう。そんな感じ!

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
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