山田ゴメスの俺の恋を笑うな
私が綾瀬はるかにLOVEな理由
昼寝をしてたら、
綾瀬はるかに
逆ナン
される夢を見た。
私と綾瀬は
とある英会話教室にいる。
客員生徒(客員講師ではない)として
我々二人は学校側から招かれている
という、おそらく設定だ。
綾瀬は、
どうやら英会話には
あまり興味を抱けないらしく、
さっきから何度も何度も
生あくびをくり返し、
漏らしている。
一方の私はというと、
やはり退屈さが先立ち、
あっちをきょろきょろ
こっちをきょろきょろ
落ち着きがない。
そんなとき、
綾瀬のマネージャーのスマホが
大仰なクラシック音楽の
着信音を鳴らす。
授業の邪魔にならぬようにと
そっと部屋を出るマネージャー。
その隙に、
綾瀬が私の近くに寄ってきて、
こっそり耳打ちをする。
「つまんなくないですか?」
「ええ、つまんないですね」
と、私は視線を
綾瀬のほうへと
さり気なく向け、
小声で答える。
「ばっくれちゃいましょうよ!」
なんの屈託も感じさせない笑顔で
綾瀬は私の半袖のTシャツを引っ張りながら
急き立てる。
「ばっくれちゃおっか?」
私は綾瀬の提案を
ここぞとばかりに受け入れる。
そして、マネージャーが出ていった
ドアとは別のドアを、
二人、腰をかがめながら
抜き足差し足で目指し、
音がしないよう扉を開け、
一気に階段を駆け下りた。
ちょうどいいタイミングで
タクシーが通りがかる。
タクシーの運転手に
小刻みに息をハアハアと切らせながら
綾瀬は行き先を告げる。
そこは、なんと
渋谷の崖の縁に建てられた
今、話題の
大型高級ラブホテル
ではないか。
地下にある駐車場に
タクシーを止め、
部屋に直通の
エレベーターに乗って、
綾瀬と私は
メゾネットタイプの室内にある
白くて半円状の形をした
大きなソファーに腰を落ち着ける。
「いつも、イイ子イイ子の
振る舞いばかりしてるから、
一度、こういう冒険が
してみたかったの……」
「その冒険相手が
僕なんかで
悪かったね……?」
と、私はできるかぎりの
平静を保ちながら、
社交辞令を言ってみた。
「いや、
あなたが良かったの!
英会話教室の部屋に
入ってきたときから
ビビッと感じてたの!」
と、夢のような(夢なんだが)
台詞を添え、
綾瀬は私にガバッと
抱きついてきて、
いきなり私の唇に
少しめくれ気味の唇を重ねてき、
舌をねじ込むように入れてくる
ディープな部類のキス……
……のところで、
私の携帯電話が鳴り
目が覚めた。
今度、週刊SPA!の編集長に昇格した
K氏の就任パーティのお誘いだった。
この手の夢を見てしまうと
今までまったくノーマークだった
綾瀬はるかに
じわっと
のめり込んでしまう、
「じわっと」の部分が
とくにタチが悪い。
とりあえず、
次の『八重の桜』は
予約録画しておいた。
あと、週刊SPA!の新編集長を
逆恨みすることも忘れてはいない。
はたして、
夢のなかの綾瀬はるかは
どんな性癖の持ち主だったんだろう。
コメントを残す