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テツandトモの“地方営業の戦略”がスゴすぎる「毎日新ネタをやっているようなもの」

「毎日新しい台本を渡されてネタをやっているようなもの」

 他の芸人の地方営業が15~30分というケースも少なくない中、テツandトモは1時間ステージの上で観客を楽しませることができる。それゆえ、彼らのステージの構成が、ほかの芸人とはまったく異なることは明らかだ。初対面の相手を1時間ものあいだ笑わせるために、彼らはいったい何をしているのだろうか。 トモ:ステージを披露する企業さんの中で知っていること、地方の自治体でしたらその場所の名産をネタに入れたりします。 いまイチオシの商品だったり、社員のみなさんがモットーとしていることなどを事前に楽屋でヒアリングするんです。毎年社員全員で社員旅行に出かける企業さんでしたら、社員旅行のエピソードなんかを入れるわけですね。そうすると「なんで知ってんの!?」と盛り上がるわけです。 ――ヒアリングは具体的にどういった方にするのでしょうか。 テツ:呼んでくださった担当の方です。部長さんでしたり、若手の方でしたり。20~30分ほどですかね。 ――20分ほどの時間で、今日のお客さんならではの「あるある」を引き出せるものなのでしょうか?

テツ

テツ:それが難しいんですよ(笑)。ただ、パターンはある程度決まっています。たとえば「会社の前のバス停の名前が最近変わったのなんでだろう~」とか、「会社の最寄り駅はみんな利用するのに、急行止まらないのはなんでだろう~」とか、「業績上がってるのにボーナスもらえないのなんでだろう」とか(笑)。 ふだん皆さんが思われていることを、ヒアリングを通してうまくネタにはめて作っていくわけです。 ――なるほど。でも、それは毎回ステージごとに違いますよね? トモ:違いますね。20分のヒアリングを通して完成したネタを、ステージが始まる前に暗記するんです。なので、毎日新しい台本を渡されてネタをやっているようなものです。ただ、そのぶん笑っていただけた時のインパクトはすごいです!会場が1つになってすごく盛り上がります。 テツ:あとは、会社のスローガンも覚えますね。テツandトモのモットーと、会社さんが掲げているスローガンって方向性が同じようなこともあります。たとえば「お客様に対するおもてなしの心をもとう」とか。なので、会社さんのスローガンを覚えておいて、ネタの最中にサラリと口にしたりします。するとこれまた「なんで知ってんの!?」と拍手をいただける。 ――20分でローカルネタを引き出すには何かコツがあるものなのでしょうか。 トモ:過去の企業さんで披露したネタを例に出すようにしてます。以前のお客さんの前ではオフィスが移転した話をネタにしましたとか、半年に一回部署が変わるのなんでだろうって言いましたとか。そうすると「あっ!それなら…」と思いついてくださるんですよね。 ――スケジュールの過密さにも驚きますが、これだけ企業さんを前にしたステージが多いのはなぜでしょうか。どういったルートで仕事の依頼が入るのでしょうか。 トモ:依頼は事務所に連絡が入りますので、わたしたちも詳しくはわかりませんが、全国に支店がある企業さんですと、ある場所で行ったステージの評判がよくて、じゃあうちの支店でもぜひというケースはありますね。結果としてその企業さんの全国の支店や支社でネタをさせていただくことがあります。
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「ひつまぶし」と言ったところで誰も「お~!」とはならない
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