英国のEU離脱で株300万円の大損! 貯蓄から投資へと追い立ててきたのは日本政府なのに…
【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
◆英国のEU離脱で300万円の損失が出ました……
独身謳歌(ペンネーム) 会社員 男性 41歳
イギリスの国民投票の結果が判明した当日の6月24日に私の会社では夏のボーナスが支給されました。が、上場企業なのに(私は閑職ですが)2.1か月分(約100万円)。それに対して、その日の私の株式投資の損失は300万円を超えてしまいました!
ボーナスを差し引いて、大幅なマイナスでまいっています。素人が手を出すのが悪いと言われればそれまでですが、貯蓄から投資へと我々を追い立ててきたのは日本政府です。ということで、質問です。イギリスのEU離脱は日本と世界の経済にどんな影響をもたらすでしょうか?
一応、私が勤めている会社はグローバルな会社なので、業績にも影響が出てきそうです。EU分裂に備えて、私たちがやっておくべきことなどはあるでしょうか?
◆佐藤優の回答
確かに政府は国民を貯蓄から投資に追い込んできました。株で300万円の損失を出したのですから、「高い授業料だった」と思って、今後は株以外の方法で資産の保全を図るのがいいと思います。1つには専門家が、あなたから預かったお金を投資する投資信託です。投資信託の専門家である竹川美奈子さんは、「長期」「分散」「低コスト」が重要と述べています。
=================
皆さんが資産形成をしていこうと思ったら、大切なのは、ごくごくシンプルな3つの戦略を押さえておくこと。具体的には「長期」「分散」「低コスト」の3つです。
まずは「分散」です。投資というと、これから上がりそうな特定の資産や企業、地域などを予想して、短期的に売り買いして儲けるというイメージを持つ人が多いようです。しかし、そうした手法は大きく儲かることもありますが、逆に大きく損をしてしまう可能性もあります。むしろ、予想は当たらないということを前提に、地域や資産をきちんと分散する必要があります。
次に「長期」です。資産形成を考える上では短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、長期の視点で考えることが大切。できれば、10年程度は投資できるお金を充てましょう。
そして、「低コスト」です。得られるリターンは不確定ですが、私たちが支払う手数料は決まっています。とくに投信は、商品をつくる人、売る人、管理する人など、関係者がたくさんいるため、株式投資などに比べてたくさんの手数料がかかります。しかも、とても手数料の高い商品も多いので、しっかり確認する必要があります。(『はじめての「投資信託」入門』98頁)
=================
1
2
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
記事一覧へ
◆募集◆
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form
『生き抜くための読書術』 ウクライナ危機、元首相暗殺事件、コロナ社会、貧困etc. 分断社会を打破する書物とは? |
記事一覧へ
『はじめての「投資信託」入門』 知っておきたい基礎知識、投資信託の活用法までをわかりやすく解説 |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ