VW車の世界販売は増加! VWのディーゼル車の国内導入はいつなのか?
というわけで今回は、VWの旗艦パサートのプラグイン・ハイブリッド車「パサートヴァリアントGTE」に乗って、福岡まで遠征して参りました。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1177874
VWのプラグイン・ハイブリッド車は、EVモードで約50㎞走れると謳っており、フル充電から100㎞以内ならビックリするような好燃費が出るが、急速充電はできない。つまり長距離ドライブでは、ほぼ「ただのハイブリッド車」として走ることになる。実際に合計1340㎞走ってみて、燃費はリッター16㎞だった。すごく良くはないが、車格を考えれば悪くない。
このクルマ、ウリは燃費よりも走りの良さや先進装備と言っていいだろう。1.4リッターターボエンジンと電気モーターの組み合わせで加速は鋭く、乗っててラクチン。高速道路では実質的な半自動運転も可能だ。アダプティブ・クルーズ・コントロールをONにすれば、ハンドルに手を添えているだけでクルマが白線や前走車を認識し、おおむね自動でハンドルも切ってくれる。自動運転とは銘打っていないので、期待値が低かったぶん、かえって「やるじゃないか!」となりました。
そのぶん値段は高い。試乗した豪華グレードで約600万円。同じパサートのガソリン車よりも約150万円高だ。さすがにこの値段じゃ、あんまり売れなかろう。
やはりVWの真価はディーゼル車だ。不正を働いたのも、コストや燃費をチョンボしようとしたのではなく、エンジンレスポンスをシャープにするのが主目的だったようだ。つまり気持ちいいエンジンにしたかったってこと。日本人的には理解不能だろうが、世界的にはまだまだ「運転の楽しさ」が重視されている。実際、VWの不正ディーゼルエンジンはフィーリングが超最高だった。不正がバレて排ガス対策を強化した結果、VWのディーゼルエンジンがどんな感じになったのか、それはまだ未確認だが……。
そんなVWのディーゼルが、いよいよ来年日本にも導入される模様。個人的には、お値段高すぎのプラグイン・ハイブリッド車より300倍は期待している。恐らくこの空気の国では、まだまだ逆風は強いだろうが、我々自動車オタクはわかっている、VWのディーゼル技術の凄さを。プラグイン・ハイブリッドは一時の風除けみたいなもんだろう。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1177889
【結論】
ハイブリッド車なら、総合的に見てプリウスのほうが買い。VWの技術の本筋は欧州で主流のディーゼルだ。来年日本導入予定のディーゼル車にはフィーリングと燃費と価格に期待したい。何があっても“いいものはいい”のである1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
1
2
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ