「あくまでも自然な再会が運命的だ」――46歳のバツイチおじさんは灼熱のビーチを4時間近くさまよい続けた〈第34話〉
翌日も翌々日もビーチで汗だくになりながらガルシアを探した。
しかし、彼女を見つけ出すことはできなかった。
もっともっと あなたを
もっともっと 知りたい
いま何してるの?
いま何処にいるの?
薬師丸ひろ子を脳内iTunesでヘビロテしても、ガルシアから折り返しのメールすらなく、俺の心は大きく乱れた。
そして、心が乱れれば乱れるほど俺はヨガにのめり込んでいった。
元々、漢(おとこ)を磨くため始めたヨガ。
ラオウのような闘気を身につけるために始めたヨガ。
「自分を綺麗に磨けば、恋の運気もこっちに傾いてくるはず」
感度の高いOLさんのような言葉。
46歳でも高まる女子力。
気持ちは迷走気味の乙女。
ガルシアに会えない日々のなか、毎日のヨガは心の平穏を保つのにものすごく役に立った。
さすがインドのヨガ。色々深い。
この日も夜ヨガで汗をびっしょりかいた後、シャワーを浴び、一人ベッドに転がった。
すると、スマホのFacebookに一件のメッセージが入っているの気づいた。
「ガルシアかも!」
それは何かの虫の知らせだった。
急いで、メッセージを開いた。
ガルシア【ハイ! ごっつ。元気? ずっとネットを繋いでなかったの。ごめんね。私、今、カフェイタリーアーノにいるの。もしよかったら来ない?】
オーーーーー!
キッターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
俺【うん。今すぐ行く!】
カフェイタリーアーノはキラとマラと飲み会をして惨敗したあのカフェだ。
俺は急いで髪にワックスをつけ、白髪が目立たないようにセットし、その足で駆けつけた。
ガルシア「ごっつー! ここよ」
ガルシアは海辺の星が見え、波音が聞こえる席に座っていた。
横にはスーパーモデルのようなお洒落な黒人女性が座っている。なんとなく魔女のような神秘さを兼ね備えている美女だ。
ガルシア「彼女は一緒のゲストハウスに住んでるイギリス人女性なの」
黒人女性「レズリーです。よろしく」
俺「初めまして。ごっつです」
レズリーはロンドン出身のモデルさんで、ここバラカラビーチに半年近く住んでるらしい。
俺らは三人で乾杯をし、ガルシアとレズリーはモヒートを、俺はキングフィッシャービールを飲んだ。レズリーのイギリス英語が聞き取りにくかったが、ガルシアも同じポイントで苦しんでいたので、何度も何度も聞き直し、なんとか理解しながら話は進んだ。
レズリー「ねー、ごっつって1日2回ヨガやってるんでしょ? 瞑想もやってるの?」
ガルシア「瞑想?」
レズリー「うん。私たちの宿のすぐ近くに、朝5時から火を焚いて瞑想する道場があるの。グル(先生)がものすごくスピリチャルなパワーを持ってる人ですごくいいよ。2時間やると頭がすっきりするから一緒に行こうよ。ね、ガルシアも」
ガルシア「うーん。瞑想か……。私、苦手なんだよな」
俺「行こうよ、ガルシア。俺、興味ある」
ガルシア「……そうだね。せっかくインドに来てるし」
レズリー「オッケー。じゃあ、明日4時50分に私たちの宿の前で待ち合わせね!」
1969年大分県生まれ。明治大学卒業後、IVSテレビ制作(株)のADとして日本テレビ「天才たけしの元気が出るテレビ!」の制作に参加。続いて「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)の立ち上げメンバーとなり、その後フリーのディレクターとして「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ)「トリビアの泉」(フジテレビ)をチーフディレクターとして制作。2008年に映像制作会社「株式会社イマジネーション」を創設し、「マツケンサンバⅡ」のブレーン、「学べる!ニュースショー!」(テレビ朝日)「政治家と話そう」(Google)など数々の作品を手掛ける。離婚をきっかけにディレクターを休業し、世界一周に挑戦。その様子を「日刊SPA!」にて連載し人気を博した。現在は、映像制作だけでなく、YouTuber、ラジオ出演など、出演者としても多岐に渡り活動中。Youtubuチャンネル「Enjoy on the Earth 〜地球の遊び方〜」運営中
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