「あくまでも自然な再会が運命的だ」――46歳のバツイチおじさんは灼熱のビーチを4時間近くさまよい続けた〈第34話〉
翌朝早朝、俺たちはガルシアの宿の前で待ち合わせをし、瞑想道場に向かった。
森のような一軒家の庭に、屋根があるスペース。そこに火が炊いてあり、3人のインド人が土の上で瞑想をしていた。グルらしき人物は白いインドの道場着みたいなモノを着ていて、火の前で瞑想をしている。レズリーがひそひそ声で俺たちに瞑想の仕方をレクチャーしてくれた。
レズリー「ここの火の前に座って初めは火を見つめるの。そして自分のタイミングで目をつぶてって瞑想に入る。もちろんこれは私のやり方で人それぞれ違うんだけど、このやり方すごくいいよ」
それから三人で火を見つめ目をつぶり、瞑想のポーズに入った。ところが、頭の中から邪念が出てきてしょうがない。
「ガルシアも瞑想やってるのかな?」
「女子と出会ってこんな不思議なグループデートやったことがないな」
「そういえば俺の蛇拳ダンスの話、一回も出なかったな」
もう、ガルシアがらみの邪念が出てくる出てくる。
うす目を開けてガルシアを見ていると、綺麗な表情で瞑想している。
表情も姿勢もとにかく美しい。
「ガルシア、君が美しすぎて瞑想できないよ」
何度も集中して邪念を消そうとするが、消そうとすればするほど邪念が頭の中をかき乱す。
そして、いつのまにか静かに眠ってしまった。
気づくと2時間の瞑想が終わっていた。
ガルシアが他の人に聞こえないよう俺の耳元に話しかけてきた。
ガルシア「(静かな声で)ごっつ、どうだった?」
俺「途中で寝た」
ガルシア「フフフ。実は私も眠っちゃった。朝4時50分起きとか朝早すぎじゃない?」
俺「だよねー、フフフフ」
ガルシアの息が耳に吹きかかり、ものすごくエロティックな気分になった。
もう欲望がマックスに高まり、心の平穏どころじゃくなった。
頭はクリアになるどころか邪念でいっぱいだ。
股間がうっすら膨らんでいた。
レズリー「ごっつ、ガルシア、瞑想どうだった?」
俺「最高! 心が静かになった」
ガルシア「私も静かな心を手に入れた」
レズリー「良かったわー」
俺は嘘をついた。
ガルシアは俺の目を見てくすりと笑った。
ガルシア「ごっつ、これから朝ヨガだよね」
俺「うん。2時間ほど汗を流すよ」
ガルシア「オッケー、また連絡する」
この瞑想がきっかけでガルシアとの距離がぐっと縮まったように感じた。
その夜、ガルシアからメッセージが入った。
ガルシア【ごっつ、晩御飯一緒にどう?】
今度はガルシアのほうからお誘いがきた。
俺は慎重に返信した。
俺【いいねー! 二人?】
ガルシア【うん。どこかおいしいお店知ってる?】
俺【リトルチベットっていうおいしそうなチベット料理のお店を発見したよ】
ガルシア【おいしそう! じゃあ、そこに夜7時ね!】
はい。きた。
来たよなこれは……。
キタキタキタキタ、キッターーーーーーーーーーーー!
今夜こそ二人っきり!!
デートだデートぉおおおおおおおおおおおおーー!
夜ヨガを終え、シャワーを浴びた。
汗の臭いはやばい。特におじさん臭は若い娘にやばい。
俺は時間をかけ、石鹸で入念に加齢臭を洗い流した。
そして、ジェルをつけ、白髪が見えないよう髪の毛を立てた。
「これで完璧だ!」
1969年大分県生まれ。明治大学卒業後、IVSテレビ制作(株)のADとして日本テレビ「天才たけしの元気が出るテレビ!」の制作に参加。続いて「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)の立ち上げメンバーとなり、その後フリーのディレクターとして「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ)「トリビアの泉」(フジテレビ)をチーフディレクターとして制作。2008年に映像制作会社「株式会社イマジネーション」を創設し、「マツケンサンバⅡ」のブレーン、「学べる!ニュースショー!」(テレビ朝日)「政治家と話そう」(Google)など数々の作品を手掛ける。離婚をきっかけにディレクターを休業し、世界一周に挑戦。その様子を「日刊SPA!」にて連載し人気を博した。現在は、映像制作だけでなく、YouTuber、ラジオ出演など、出演者としても多岐に渡り活動中。Youtubuチャンネル「Enjoy on the Earth 〜地球の遊び方〜」運営中
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