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タクシー運転手が語る「公道マリカーの問題は著作権だけじゃない!」

タクシー運転手が語る「公道マリカーの問題は著作権だけじゃない!」

日本橋を疾走する公道カートの群れ  撮影/山崎 元(本誌)

 任天堂が公道カートのレンタル会社「マリカー」(東京都品川区)に対し、人気キャラクター「マリオ」や「ルイージ」などのコスチュームを貸し出したうえ、その画像を許可なく宣伝や営業に利用しているのは著作権侵害に当たるとして、1000万円の損害賠償を求める裁判を提起したニュースが話題となっている。  マリカーは公道を走れるように改造した1人乗りの四輪カートで、利用料金は1時間=2500円~。衣装のレンタルも無料で、フェエイスブックにレビューを書くと500円割引されるなどその手頃なプライスが外国人観光客の間で人気となっていた。 「マリカーの利用者は7~8割近くが外国人で、ここ2~3年でカートの所有台数を一気に増やすなどかなりの人気でした。公道カートは北海道から沖縄まで全国各地にあって、それぞれの土地で観光スポットを回ったり、自然を満喫できるのが売りなのですが、今回、任天堂が提訴に踏み切ったのをきっかけに、今後ゲームキャラの衣装の貸し出しは自粛されていく流れになるはず。ただ、利用者が自前で用意した衣装を身に着けることや、撮影した写真を宣伝目的で使わなければ問題ないわけですから、公道カートはすべてダメ! みたいな空気になってほしくないですね……」  30代のトラベルライターがこう話すように、外国人観光客のインバウンドが期待できる業界だけに、イメージの悪化は最低限に食い止めたいところだろう。だが、公道カートの業界が抱える“問題”は著作権侵害に限った話ではないようだ。東京都心部を30年以上走っているという60代の個人タクシー運転手が話す。 「見かけるときはいつも10台とか20台の縦列で走っているのもあって、クルマを運転している側から見れば、やっぱり危なっかしいですよ。車高が極端に低いので、こちらの気が付かないうちにタイヤに巻き込んでしまう可能性もありますから。一応、隊列の一番前を走る先導と最後尾の2台はカート会社のスタッフが乗っていて、その2台だけ先端にLEDのついた丈の高い旗竿をつけているので、まったく気づかないということはないと思いますが、トラックのような運転席の高い車両のドライバーは気づかないのではないか。車両が軽くスピードも時速60kmくらいは出ているので、ちょっとした段差に乗り上げたり、どこか軽く当たったら吹っ飛んでいってしまうはず。しかも、乗っている人はみんな着ぐるだけで、ヘルメットを被ってないですから怖いですよ」
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乗っているのは、日本の交通ルールを知らない外国人
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