『孤独のグルメ』原作者・久住昌之が語る谷口ジローへの思い「画が繊細で、実際より魅力的になる」
――第8話あたりから扉の描き込み、スタイルが決まってきますよね。
※このインタビューは3/28発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです。実写版で主演の松重豊さん、フランスでのエージェントであるカンタン・コリーヌさんも訪ねお話を伺いました
【谷口ジロー】
’47年、鳥取県生まれ。アシスタント生活を経て、’71年『嗄れた部屋』でデビュー。代表作に『事件屋稼業』「『坊っちゃん』の時代」『歩くひと』『父の暦』『孤独のグルメ』『遥かな町へ』『神々の山嶺』『冬の動物園』など。ハードボイルドから、歴史もの、文芸、SFまで幅広いジャンルを精緻な絵柄で描き続けた。’00年代からは海外での評価も高まり、故郷・鳥取を描いた『遥かな町へ』は舞台をフランスに移し映像化された。アングレーム国際漫画祭最優秀美術賞、フランス政府芸術文化勲章シュヴァリエ賞ほか国内外で受賞歴多数。’17年2月11日、多臓器不全により逝去
【久住昌之】
’58年、東京都生まれ。漫画家。代表作に『かっこいいスキヤキ』『孤独のグルメ』『花のズボラ飯』ほか。漫画、イラスト、音楽と幅広く活動し、ドラマ版『孤独のグルメ』では全編の音楽を担当
取材・文/壹岐真也 写真/福本邦洋(久住昌之) ビッグコミックオリジナル編集部(谷口ジロー)
久住:あの工業地帯の絵はぶったまげた(笑)。描かせてごめんなさいだ。第8話の川崎セメント通りの焼き肉の回ね。このころ、まだ「一人焼き肉」って習慣が東京にはなくて、「ヨシ、一人で行って焼いてみようかな」と考えたんだよね。「うおォン! 俺はまるで人間火力発電所だ」という五郎のセリフは、谷口さんの画が完成してから五郎の表情を見て、元のセリフをボクが書き直したもの。そういうフィードバックはたくさんあった。第9話の江ノ島も、谷口さんは自然が好きだから、一度描いてみてほしかった。トンビとか海、やっぱりいいんだよね。
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