更新日:2021年09月25日 11:42
ライフ

北関東で噂の「夜行ってはいけない場所」に潜入してみた…

 つくばエクスプレス線の終点・つくば駅から南へ車を走らせること30分の郊外に、「A公園」という場所がある。周りにあるのは学校に住宅街、ゴルフ場やスーパー銭湯と、よくある風景だ。昼間は木漏れ日のなかに小鳥のさえずりが鳴り響き、子どもの笑い声なんかも聞こえてくる。しかしこの公園、夜になるとガラリと姿を変え、世にも恐ろしい光景が広がるという噂だ……。  さて、それはどんな光景かというと、聞いた話をまとめた限りでは、ちょっと文字にするのもためらうような感じ。ここは北関東最大の“ハッテン場”なのだという。この公園専用の待ち合わせ掲示板なるものを発見した。 掲示板 掲示板の書き込みによると、今年9月の夜に「カズ」と「ひろき」がA公園で待ち合わせ何かゴニョニョしようとしていたようだ。2人の出会いが上手くいったのかはさておき、ほかの書き込みを見てみても、この公園が北関東最大のハッテン場として名を馳せていることにはうなずける。さらに掲示板内のみならず、じつは界隈におけるその知名度は異常なほどだという。老若男女を問わず、地元では「夜行ってはいけない場所」としてつくば市民なら誰でも知っているらしい。  また、近隣の筑波大学の学生たちによると、A公園は「罰ゲームや肝試しの定番になっている」そうだ。さらには、そんな感じで冷やかしに訪れたヤンキーが包丁でズブっと刺されたなんて話も……。  大学生たちのはしゃぎ声、ヤンキーの断末魔の叫びなど、近隣の方々はさぞかし迷惑していることだろう。そもそも、公園で堂々といかがわしい行為などしていたら公然わいせつ罪に問われるはずだ。  今回は、深夜のA公園でなにが起きているのか(念のため同伴者を引き連れながら)実態を調査するため潜入してみた。果たして、そこで見た光景とは。ぶっちゃけ、ケツを掘られる云々どころではない……!? A公園

北関東最大の“ハッテン場”に潜入してみた!

 公園に着いたのは22時過ぎ。駐車場にはすでに4台の先客がおり、みんな車内でスマホをいじりながら時間を潰している。A公園にはゲイ同士の待ち合わせ掲示板なるものが存在する。新しい書き込みがないのかみんなチェックしているのかな? そう思って隣の車をチラ見すると、スマホの光に照らされたオヤジの表情がハッキリと見えた!  ひええ~、なんかちょっとニヤついている! しかし、いくら待てどもだれもがスマホをいじるばかりで動きがない。そこで、私たちはとりあえず交代で公園を1周してみることに。同伴者には駐車場の様子を見張っていてもらうことにする。  筆者が歩いた遊歩道は、公園の外側をグルっと囲うようにして作られている。正直、いかにもゲイたちが集まりそうな中心部、芝生公園や東屋などは真っ暗で何も見えない。特に物音もしないのでだれもいないのだろう。静まり返った夜の公園独特の雰囲気に心臓をバクバクさせながら、うっかり踏んでしまったセミに悲鳴を上げつつも何事もなく車に戻った。途中、公園の外の道路から、いぶかしげにこちらを見てくる男性がいたが結局、公園内に人影は確認できなかった。 「誰もいなかったですよ。日曜日だからですかね」と報告して車に乗り込みシートに座ると落ち着くことこの上ない。「じゃあ次、よろしくお願いします」と同伴者を公園へ送り出し、冷房をつけながら帰りを待った。
A公園

昼間のA公園

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東屋に怪しい男たちの影が…
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元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion

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