“極厚”コンドームで愛は深まるのか? そしてオカモト株式会社の株価は上がるのか?
―[藤川里絵]―
まともな就職経験なし。おまけに数字オンチのシングルマザーが、株式投資を始めて7年間、年間損益負けなし。著書「月収15万円からの株入門 数字オンチのわたしが5年で資産を10倍にした方法」も好評な藤川里絵氏が、日々四季報を眺めながら感じたことをつづる投資連載
とある日曜日、2017年夏号の四季報をペラペラめくっていたわたしの指がふと止まりました。5122 オカモト。もちろんオカモトのことは知っている。若かりし頃はお世話になったものです。そのオカモトの記事欄に「3月、極厚型コンドーム投入」という一文。極厚?? え? 極厚?? 思わず二度見しましたが、なんど見ても極厚です。わたしの遠い記憶では、コンドームというのは、愛するふたりの間を邪魔する憎いやつ。その存在感は薄ければ薄いほどよしとされているのではなかったか? わたしの中の常識が音を立てて崩れていきます。
極厚とは、いったいどれほど極厚なのか? 極厚と聞くと、なぜかお正月に実家で出てくるお歳暮のハムを思い浮かべてしまうが、あの厚さ(1センチほど)のコンドームだと、いろいろ行為に支障がありそうです。
「極厚型コンドームってだれ得なの?」
思ったことはついツイートしてしまうツイ廃なわたし。
意外なことに、それに対して複数の人からリプライが飛んできました。
「長引かせたい人のため用ですよ」
おーーーーー!
すっかり抜け落ちてたその感覚。そうでしたそうでした、若かりし頃は早かった。
そんな甘酸っぱい記憶にしばし陶酔…………してる場合ではなーい!
なぜならわたしは株式投資家。
四季報のささいな一文から、その会社の強みを見つけ出し、株価の上昇を予想するのがお仕事(というか趣味)。オカモトが、満を持して投じた極厚型コンドームが売り上げに貢献するのか、利益は伸びていくのか、株価を押し上げていくのか、それについて深掘りする必要があります。
投資対象を選ぶ際に、いちばん信頼できる分析方法は実体験です。できることならわたし自身が極厚型のコンドームを体験してみたいところですが、残念ながらそんなヤングなボーイフレンドがおりません。
できることといえば、オカモトの公式ホームページを覗くことぐらい。
ここでひとつ真面目な話しをしますと、投資家にとって企業のホームページは、重要なチェックポイントです。もちろん決算の数字や業績の推移などIR情報を見るためでもありますが、そのほかにその会社がホームページにどれだけ力を入れているか、いかに分かりやすく自社サービスを紹介できているか、欲しい情報がすぐ見つかる操作性を備えているか、つねに最新の情報を更新できているかなどで、消費者に対する会社の姿勢が浮かび上がります。わたしの経験上、ホームページが分かりやすい、おもしろい会社の株価は上がりやすいです。
さて、オカモトのホームページはというと……。
分かりやすい! これはほんとに重要。オカモトってコンドーム以外にもいろいろやってるんですね。産業用品だとプラスチックフィルム、壁紙、家具用レザーなど、身近な生活用品だとゴム手袋やカイロ、除湿剤など。
そしてコンドームに対する情熱がビンビン感じられます。めちゃくちゃ情報豊富。わたしちょっとしたコンドーム博士になりそうです。
どうやらオカモトのスターコンドームは、オカモトゼロワンという0.01ミリの超薄型タイプみたいですね。ほかにも0.02ミリ、0.03ミリと揃っています。正直0.01ミリと0.02ミリと感じ方がちがうの?って思いますが、その疑問にはマーケティング部の方のインタビュー記事に答えがありました。
「体感できるかどうかは個人差やタイミングもあると思いますが、はっきりしているのは“薄さ0.01ミリ台のコンドーム”という表示ができる製品であることではないでしょうか。」
つまりものすごく薄い!と認識することで、よりパートナーとの距離が近づき感度がよくなる効果があるとか。普段は0.02ミリを使用して、特別な日はゼロワンを使用するカップルもいるらしい。そこはケチらず毎回ゼロワンにしろやとこころの中で思いつつ、さらにホームページを読み進めると、ゼロワン使用者の感想が掲載されていました。
「妻、自分ともに装着している事を忘れるくらい、挿入している間ぬくもりが感じることができました。(30代男性)」
なんか泣ける。年かしら。
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