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一見、中途半端な「ガラホ」の真価にせまる。実は玄人向け!?

昨今、スマホ業界で話題の「ガラホ」。この一見、中途半端な商品が、なぜ今、脚光を浴びているのか? スマホ、ガラケーに並ぶ「第三のケータイ」の詳細を解説する ◆[ガラホ]の真価にせまる! [ガラホ]の真価にせまる!「ガラホ」という言葉自体はau端末が使用しているキャッチフレーズだが、「昔懐かしいフィーチャーフォン(ガラケー)のルックスを持つ、Android OSを搭載した端末」(以下、Androidフィーチャーフォン)は、今年の夏モデルではドコモとauの2社から計3機種が登場している。  パッと見には「ガラケーとスマホのあいのこ」。この一見、中途半端な商品の魅力とは? モバイル評論家の法林岳之氏に聞いた。 「実は数年前にも、フィーチャーフォンの形をしたAndroidスマホがまとまって数機種出た時期がありました。ただ、当時と今とでは、出てきた背景が大きく異なる。簡単に言うと、数年前の端末は『フィーチャーフォンからスマホに移行したい人のための端末』。スマホを使ってみたいけれど、ガラケーの操作に慣れているので乗り換えるのが不安……みたいな人が、腕慣らしで使うことを想定していました。一方、今夏出てきた端末は、あくまで『フィーチャーフォンを使い続けたい人のための端末』。見た目は似ていますが、コンセプトは180度違うんです」 ⇒【資料】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=922893 [ガラホ]の真価にせまる! 製品としては、具体的にどのような違いがあるのだろうか。 「フィーチャーフォンとスマホの根本的な違いは『常時ネットに接続しているかどうか』。フィーチャーフォンの場合、メールの受信を除き、ユーザーが自分で操作しない限り勝手に通信が発生することはありません。一方、スマホではグーグルだったりSNSだったり、設定したアカウントの分だけ自動的に通信が発生する。だからこそ、通信費もかさむし電池も食うし、アプリが自由に追加できるからウイルスのリスクもある。そこが不安だというユーザーのために、ごく限られた用途以外は自動通信を一切行わず、なおかつアプリも決まったものしか追加できない……という仕様で作られたのが、今回のAndroidフィーチャーフォンなのです」  例えば、auの新モデル「AQUOS K SHF32」の場合、auのサービスアプリ(LISMOほか)を除いて追加できるのは「LINE」や「ウイルスバスター」くらい。それってもはや、スマホではないのでは……。 「だから、スマホじゃなくてフィーチャーフォンなんですよ! PC誌では『裏技を使えばアプリが追加できる』みたいな特集もやっていますが、それじゃ意味がないんです(苦笑)。アプリを追加できないということが、むしろ重要なんですから」  しかし、わざわざAndroidフィーチャーフォンなど作らずとも、ガラケーユーザーにはガラケーをそのままずっと使い続けてもらえればいいのではないか? 「なかなかそうも言っていられない。というのも、フィーチャーフォンを作るための部品がどんどん入手困難になっているからです。ドコモのフィーチャーフォン向けに今でもCPUを製造しているのは事実上パナソニックくらいですし、周辺チップなども生産終了になるものが増えています。ソフトウェア関連も然り。今持っているフィーチャーフォンを使い続けたくても、修理もままならなくなる日が早晩やってくるわけです」  ガラケーのブラウザでは表示できないWebページや、ガラケー非対応のサービスもじわじわ増えており、ガラケーユーザーには不便な時代に。この問題を解決するのがAndroidフィーチャーフォンなのだ。 ◆テザリング対応で2台持ちに最適!  一般的なスマホと比べ、できることがかなり限定されるAndroidフィーチャーフォンだけに、ライトユーザー向けなのかと思いきや、実はそうでもないらしい。 「フィーチャーフォンユーザーを初心者と見下すのはスマホユーザーの驕りで、いまだにフィーチャーフォンにこだわっているユーザーの中には、SEやプログラマーなどITに強い人も多い。彼らはあくまで通話に特化したケータイを欲し、それ以外の作業はノートPCなどで行います。とくにau端末は、こうした“玄人筋”のユーザーを想定していますね。前出の『AQUOS K SHF32』は、Wi-Fi接続やテザリングができるのがウリで、これは従来のフィーチャーフォンから大きく進化したポイントです。LTEに対応しているのもメリットですね」  通話用端末と、タブレットやノートPCの“2台持ち”を好むユーザーにとっては、かなり魅力的な選択肢と言えそうだ。しかも、価格はハイエンドのスマホのほぼ半額である。  なお、ドコモのAndroidフィーチャーフォンは、3Gのみへの対応など、かなりライト層のユーザーを想定しており、au端末とは似て非なる仕様になっているが(下図参照)、今後のラインナップの拡充に期待したいところ。スマホ、ガラケーと並ぶ「第三のジャンル」としてのAndroidフィーチャーフォンに、今後も注目したい。 ⇒【資料】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=922894 [ガラホ]の真価にせまる!取材・文/SPA!編集部
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