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残るはauだけ。続々値下げのスマホ料金で得になる人ならない人

 総務省はスマホ料金を引き下げようと必死だ。10月には「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」を発表し、大手キャリアにごりごりとプレッシャーを与えている。  それを受けたNTTドコモは、12月3日にお手頃な料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表した。月額2980円(税別)と格安ながらデータ容量は20GBと大きいうえ、容量を使い切った後は1Mbpsで通信できるのが特徴。5分以内の通話は無料で、5Gにも対応。2021年3月から提供される。
ahamo

NTTドコモの新プラン「ahamo」

ドコモに続いて動いたソフトバンク

 これを受けて、12月22日にはソフトバンクが「SoftBank on LINE(仮)」を発表し、話題を集めている。こちらも2021年3月サービス開始予定で、月額料金とデータ容量、20GB以降の通信速度、5分以内の通話無料などの条件は「ahamo」と同じ。LINEのトークや通話で利用する通信量がタダになる「LINEがギガノーカウント」が付いているのがプラスポイントだ。今後、ソフトバンクは大容量ブランド、ワイモバイルは小中容量ブランド、「SoftBank on LINE(仮)」はオンライン専用ブランドになるという。
SoftBank on LINE

ソフトバンクの新プラン「SoftBank on LINE(仮)」

 一方、KDDIは12月9日に「データMAX 5G with Amazonプライム」プランを発表したが、月額9350円と安いプランではなく、批判の声が上がった。これは別に「ahamo」対抗というわけではなく、以前から準備していたプランで、タイミングが悪かっただけだろう。1月中には、KDDIからも「ahamo」や「SoftBank on LINE(仮)」への対抗プランが登場する予定だ。

「ahamo」にすれば誰でも安くなるわけじゃない

「ahamo」は、NTTドコモのサービスとしては明らかに安いのでインパクトが大きい。しかし、いくつか注意点がある。  まず専用サイトからオンラインで申し込む必要ある。さらに、NTTドコモユーザーでもMNP転出手続きが必要で、家族割りなどからもはずれてしまう。これでは、ソフトバンクのワイモバイルやKDDIのUQモバイルなど、サブブランドのようなものだ。
UQモバイル

auのサブブランド「UQモバイル」

 武田良太総務相のプレッシャーを受けて、ソフトバンクとKDDIは容量20GBの格安プランをサブブランドに用意した。しかし、総務相は「メインブランドで新たな料金プランの発表がないのは問題」と発言。それを受けてドコモの「ahamo」はサブブランドではなく、メインブランドの扱いにしたようにも見える。  今後は、MVNOではなくメインブランドであるMNO品質の通信を格安で利用できることになる。家族割を組んでいないのに大手キャリアと契約している人は、乗り換えるのではないだろうか。しかし、オンラインでの操作が苦手とか、自宅のネット回線や家族回線でまとめて割引きを受けている人は、乗り換える前に「本当に得になるのか?」よく計算したほうがいい。
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現行料金も値下げすると発表したドコモとソフトバンク
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