夏休みの大人の社会科見学「ウイスキー蒸留所巡り」のポイント。余市、山崎、白州…
― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第11回 ―
夏休みなどを利用して、ウイスキー好きなら、ぜひ行くことをオススメしたい場所があります。それがウイスキー蒸留所。大きなウイスキー蒸留所であれば、一般人の見学を受け付けているところが多いのです。
そもそもウイスキーは、水と空気が美味いところで作るので、旅行先としてもピッタリ。広大な土地が必要になるので少々へんぴなところにありますが、それでも日本国内であれば交通網は整備されているので問題ないでしょう。そこで今回は、定番中の定番、サントリーとニッカウヰスキーのオススメ蒸留所をご紹介します。
まず北海道にあるのが余市蒸留所で、小樽の近く、JR余市駅から数分の所にあります。新千歳空港から直行しても2時間近くかかるので、少々予定に余裕を持つ必要があり、できれば午前中か午後イチに予約して、帰りに小樽を観光してから、札幌へ向かうのがオススメのプランです。
有形文化財に登録されている貯蔵庫や研究所などは見応えあり。もちろん、蒸留棟も有形文化財登録されており、珍しい石炭直火蒸溜が行われています。
もちろん、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン」で有名になった創業者・竹鶴政孝がリタ夫人と暮らした旧竹鶴邸も要チェックです。今は、玄関ホールと庭園が公開されていだけですが、昔は中に入ることができ、筆者はリタさんが付けた梅干しの現物を見たことがありますが、今でも食べられそうな感じでした。
ちなみに余市以外にも、ニッカウヰスキーにはもう1つ宮城峡蒸留所があります。
JR仙台駅から30分ほどのところで、最寄り駅はJR作並駅。仙台の奥座敷と言われる作並温泉があります。仙台も素晴らしいBARが多いので、夜は仙台で楽しむのもありです。
山梨県北杜市白州町にあるのがサントリー白州蒸留所。最寄り駅はJR小淵沢駅。爽やかな森の中にあり、素晴らしい自然を堪能できます。
蒸留所は規模が大きく、見学施設も充実。ウイスキーにそこまで興味を持っていない、という人を連れていっても、そこそこ楽しめるのでオススメです。電車の日帰りもいいのですが、レンタカーを借りて、近くのオーベルジュに1泊するのがイチオシ。野菜と白州のマリアージュを楽しんでほしいですね。
山崎蒸留所は大阪府三島郡島本町山崎にあります。ほぼ京都との境にあり、JR山崎駅と阪急大山崎駅が最寄り駅。まわりには何もないので、その前後は大阪か京都で楽しむのがオススメです。
この山崎蒸留所は、宇治川と木津川、桂川が合流するところで、日本初のモルトウイスキー蒸留所として建造されました。初代所長の竹鶴政孝は北海道のほうが適していると言ったのですが、当時の鳥井信治郎社長の「一般人に見学に来てもらってなんぼ」という考えから、立地のいい山崎を選んだそうです。ジャパニーズウイスキーの原点でもある山崎蒸留所。ファンであればぜひ足を運んでみたい場所ですね。建物も設備も新旧入り交じり、ユニークです。
ちなみに蒸留所見学はどこも予約が必要。超大手であれば、頻繁に開催されていますが、ふらっと行ってしまうと見られないことも多いので注意しましょう。
現在は、こうした2大メーカー以外にも多数のウイスキー蒸留所が稼働しています。しかし、蒸留所の見学施設はそれほど整っておらず、そこまで手を掛けられないということもあり、見学が難しいこともあります。しかし、そういった場所でも、イベント時やメーカーの招待、BARなどの主催など、見学できるチャンスも多いので、ファンなら見逃さないようにしたいですね。
『マッサン』でおなじみ「余市蒸留所」
都心から日帰りもできる「白州蒸留所」
ジャパニーズウイスキーの原点「山崎蒸留所」
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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