VRのアダルトコンテンツにハマっています…もうリアルの女性はいらないという気持ちになりそうで怖い【28歳男性の不安】
【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
◆仮想現実の世界にハマっています
虫食い(ペンネーム) 会社員 男性 28歳
最近、興味があってVRヘッドセット(仮想現実を体験する用のイヤホンなどが一体になったゴーグル)を買いましたが、ものすごいです。映像と音声だけなので感触はありませんが、アダルトコンテンツを見るとハンパないです。AV男優になった気持ちです。もう女性はいらないという気持ちになりそうで怖いです。そうなる男が増えると思います。現実に戻ってこい!と言ったところで、VRが一般化してしまったら、その声は届きにくい。さらに晩婚化と少子化が進むかもしれません。
私はこんなことをしていていいのでしょうか? 人は仮想現実よりも現実に目を向けるべきではないでしょうか?
◆佐藤優の回答
仮想現実の中だけで生きていくことができるのは、経済的に余裕のある人だけです。なぜなら、現実の人間は食べ、飲み、住み、服を着なくては生きていくことができないからです。ときどき親に全面的に依存して、自分は働かずに仮想空間の中で生きている人もいます。そういう人は、真面目に働いている人を見下す傾向があります。
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コンビニで働いていると、そこで働いているということを見下されることが、よくある。興味深いので私は見下している人の顔を見るのが、わりと好きだった。あ、人間だという感じがするのだ。
自分が働いているのに、その職業を差別している人も、ちらほらいる。私はつい、白羽さんの顔を見てしまった。
何かを見下している人は、特に目の形が面白くなる。そこに、反論に対する怯えや警戒、もしくは、反発してくるなら受けてたってやるぞという好戦的な光が宿っている場合もあれば、無意識に見下しているときは、優越感の混ざった悦惚とした快楽でできた液体に目玉が浸り、膜が張っている場合もある。(『コンビニ人間』63頁)
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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