多摩川にホームレスが増加したワケ 行政施策の空回りが原因か
そこで現在、進められているのが欧米発祥の「ハウジングファースト」型の支援だ。
「行政に指定された施設から路上に戻る人には、相部屋に適応しづらい障害や疾患を抱える人が少なくありません。そこで、民間主導で進められているのが『ハウジングファースト』型の支援。ホームレスに最初から個室の住まいを提供し、スタッフが家庭訪問をしながら継続的にケアする方法です」
こうした「ハウジングファースト」型支援は近い将来、政府の空き家対策にも生かされるという。
「国土交通省では今、全国に820万戸ある空き家を高齢者や障害者の住宅支援に活用しようという動きがあります」
とはいえ、早急に対処が行われなければ、多摩川ホームレスはまだまだ増加し続けるだろう。
【稲葉 剛氏】
「つくろい東京ファンド」代表。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授。著書に『貧困の現場から社会を変える』など
取材・文・撮影/青山由佳 鴨居理子 建部 博 取材/永田明輝
― 多摩川[リア充ホームレス]の優雅な日々 ―
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『貧困の現場から社会を変える』 長く貧困問題の現場に関わり、さまざまな提言や制度改革に取り組んできた著者が記す、貧困社会を変える希望の1冊 |
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