雑学

ホコリ、カビ、ダニだらけの布団に寝かされる自衛隊の演習訓練

 演習中はテントを張っての宿営地をつくることもありますが、演習場にあらかじめ用意されている宿営地を使うこともよくあります。宿営地は、旧日本軍型の木製の廃校のような板張りの場所にムシロか布団というタイプと、米軍っぽいかまぼこ型の宿営地にベッドという2つのタイプが代表的です。それでも、雨風が防げ、裸電球でも灯があるだけマシな施設ではあります。

 どちらの場合も、ただでさえ予算が乏しい自衛隊の、たまにしか使わない演習場宿営地にお金や人手をかけることはできません。壁や窓から隙間風が吹くような状態でも、ガムテープやビニールシートでの応急修理で我慢しています。寝る時は宿営地のベッドのマットレスの上に、持参の寝袋に入って眠ります。ムシロや布団などがあれば、その上にやはり寝袋や毛布をかぶって眠ります。

 この宿営地にあるマットレスや毛布がなかなかのもので、中には「隊員の実年齢よりも高齢」といった場合もあるそうです。装備というより、廃棄されるべきものが「あるだけマシ」と捨てられずに置いてあったりするのが実情のようです。それでもやはり直に土の上に眠るよりはずっと休息にはいいので、みんな我慢して使っています。

 陸自の演習場での訓練は、数十kgの背嚢を背負って山野を動き回り、いろいろな機材を設営しては片付け、次から次へと機敏に動き回るので、隊員はみんな疲労でへとへとになっています。だから、状況下の仮眠であろうが、睡眠だけは最大限の時間をとって深く眠らせてあげたい。とくに、まだ不慣れな新しい隊員たちには、せめて休養だけはとらせてあげたいと先輩自衛官は思うのですが、宿営地にあるマットレスや布団、毛布はおおむねホコリとカビ、いつからそこにあるのかわからないものが多いようです。人の目が行き届く大きな基地の場合は洗濯されたものが用意されていることもあるそうですが、残念ながら例外的なケースのようです。

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寝袋で寝ても、夜中には体が真っ赤に腫れていることも

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