更新日:2021年12月15日 06:08
恋愛・結婚

歌舞伎町ホスト狂いの女子大生ヒトミ(仮名・20歳)そして彼女はAV女優になった

コンビニのバイトから夜職へ…

 ホストクラブには、毎月のようにイベントがある。担当ホストの「バースデーイベント」、お店の「周年記念イベント」、店内でグループ分けをして売り上げを競う「対決イベント」、系列のホストクラブが1店舗に集まって営業する「合同イベント」――。むろんイベントでは、客は高級ボトルを入れて担当ホストの面子を潰さないようにしなければならない(と思い込んでしまう)。  毎月のように店を訪れるようになったヒトミは、イベントのたびにケイタへ貢いだ。そしてついに、コンビニのアルバイトだけでは、いくら働いてもお金が足りなくなる。  昼職でお金が回らなくなった女の子は、給料の高い夜職へ流れる。それはホストたちにとって常識であり、お金を引っ張るためにはむしろ都合がいい。ここからAV女優に堕ちるのは、あっという間だ。 「ヒトミは確か、最初はキャバクラで働いていましたね。でも、1か月も経たないうちに手コキ風俗店へ移っていました。日払いで1~2万円ぐらいもらえるから、その足ですぐにお店へ来てくれましたね。普通の女の子は『知らない男に手コキするのは抵抗ないのかな』って思いますよね。でも、ホスト狂いの子はできるんですよ。だってそれが、好きな人のためだから」

そしてヒトミはAV女優になった

 ヒトミは目に見えて荒んでいったという。ケイタはそれでも彼女からお金を引っぱり続けた。ホストという仕事はそういうものなのだ。いちいち気にも留めていない。 「彼女自身は『あと2年働いてお金を貯めたら就職したい。でも今はがんばりたい』って言いましたね。まぁ、こっちは2年でホスト通いをヤメさせる気はさらさらないっすけど(笑)」  ケイタにも言い分はある。お金を貯めて将来はホストクラブを経営したいという夢があるのだ。客一人ひとりの人生を心配するほど甘い世界ではない。ヒトミはさらにセクキャバデリヘルと給料が高く過激なサービスを求められる店へ移籍を繰り返した。 「すでに感覚が麻痺しているから、サービス内容にまったく抵抗がないんですよね。デリヘルに出勤して、日払いでお金をもらって、そのままホストクラブで豪遊するルーティンができてるんですよ」  ヒトミはケイタも気づかぬうちに大学を中退していた。お金を稼ぐのに必死で、授業にも出られず、たまに出席したかと思えば大学の友だちに「ホスト通いやめなよ」と責められたからだという。次第に居場所がなくなり、中退を余儀なくされたのだ。大学を辞めて時間ができたヒトミは、さらに足しげくケイタのいる店へ通うようになった。 「ヒトミは最終的にAV女優になりました。やっぱり、ガッツリお金を稼げるから手っ取り早いんですよ。それに東京でできた友だちと疎遠になり、家族は田舎にいてバレるリスクが少ない。だからもう失うものは何もないんだと思います。で、ヒトミがこの子です」  そういって、スマホを取り出し見せてくれた画像は、私(女性)でも知っているほどの超有名AV女優……深夜番組でもよく見かける。彼女は、いまだにケイタさんを指名しているそうだ。 「彼女はたまたま有名になって稼げているけど、AV女優になっても売れない子はそのうち金が尽きる。お店にツケ(借金)をして、払わないまま飛ばれることもよくありますよ。そういうときは、僕の給料から引かれるので辛いっすね。まあ、僕が言うのもなんですが(笑)、ホスト遊びをしたいなら“毎月10万円まで”など自分のキャパを理解して上限を決めておくことが大事でしょう」 指先

女性記者として思うこと

 今回の取材で女性記者として感じたことは、ホストクラブへ行くこと自体は、問題ないと思う。今の生活に支障が出ない程度の金額で遊ぶなら、とても楽しい場所だ。  しかし、ホストクラブはあくまで“疑似恋愛”をする場所。本気の恋愛ではない。理想と現実の恋愛が混同してしまう人ほど、ホストにハマってしまうのかもしれない。彼らがお姫様扱いをしてくれるのは、あくまでも女性が支払うお金の対価として。そのことを忘れてはならない。 【三崎りの】 レースクイーンをする傍ら、フリーライターとしても活動。「R25」「ietty magazine」「conses」などで執筆中。ミス東スポ2017ファイナリスト。Twitter→@neneeeeee_cha <取材・文/三崎りの>
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