中古38万円の高級車セルシオ vs 新車の軽自動車、どっちが得か考察 <腕時計投資家・斉藤由貴生>
3年以上乗った場合は、ワゴンRのほうがお得となるでしょうが、それでもこのセルシオに対する支払総額は、他の多くのクルマと比較してかなり安い部類に入るでしょう。
そして快適性で、セルシオを超えるクルマはなかなかありません。いま新車で売られているクルマにおいて、セルシオより快適なモノを買おうと思った場合、クラウンクラスでも勝負にならず、新車価格800万円以上のレクサスやベンツとなるかと思います。
これでもか、というほどスムーズなエンジンは一般的なV8エンジンより遥かに優れていて、精密な部品がもたらすモーターのような感覚は足元にも伝わってきます。2000回転以下で日常的な速度域をこなせてしまうほどトルクたっぷりなエンジンは、高回転域でもしっかりとパワーを発揮。普段は穏やかに走っても、いざという時に踏めばかなり早く加速していきます。
ドアは4枚とも半ドア状態で自動的に閉まる機能を搭載。この機能、ベンツのSクラスだと500L以上にしか搭載されていないということもあり、いかにも「高級車だ」と感じることができオーナーを満足させます。
シートからは風が出る仕様なのですが、ベンツなどのベンチレーターとは違い、温かい風と冷たい風を出すことが可能。これ、冷蔵庫などにも使われるペルチェ素子を使ったかなりの贅沢機能です。
これだけ魅力的なセルシオが、なぜ総額38万円で買うことができたのか。それは単に人気がないからです。冒頭に書いたとおり、クルマに詳しくない人からは「無駄」と思われ、クルマ好きからは「30前期」とバカにされる。つまり、どの方向からも需要がないのです。
この38万円のセルシオ、普通の中古車屋さんで買ったのですが、なにか問題がある車両というわけではなく、業者オークションでも評価点4点以上になるレベル。ちなみに、買った時の走行距離は3万8000kmで修復歴なし、それでいて内外装もかなりきれいでタバコの臭いもありません。
ありとあらゆる方向から、今の時代においてかなり需要がないこのセルシオは、実はかなりお得な物件であるのです。
10年落ちのクルマは高級車ではないとか、今時セルシオという人もいるでしょう。しかし、このクルマは完全に高級車です。それは、先のような快適性や性能だけでなく、街中で車線変更した時に周りのクルマの反応からも感じられます。
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お得なクルマの買い方というと、ハイブリッドカーや軽自動車というイメージがあります。しかし、そのイメージにとらわれず考えて消費をすると、これだけいいクルマをお得に買うことができるのです。
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある![]() | 『もう新品は買うな!』 もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう ![]() ![]() |
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