マイテープをつくるならダブルデッキのラジカセ
サンヨー MR-WU4
淡路:当時はラジカセを使って好きな番組を録音するのもよくやってましたよね。東芝のSUGAR RT‐SW7や三洋のMR‐WU4なんかカッコよかった。
八満:そうですね。私もラジカセはダブルデッキがすごく欲しかった記憶があります。ラジオ番組を録音するだけじゃなくて、カセット同士でダビングできるから。
当時は、好きな曲を集めて自分好みのマイテープをつくるのが、はやっていましたよね。ちょっと気になる女のコに「好きな曲を集めてみたから、よかったら聞いてみて」って渡して「センスいいね、よかったよ」と言ってもらえるのが何よりうれしかった。あの瞬間はラブレターを渡すよりも緊張したなあ……。
亀田:マイテープは選曲もそうだけど、曲順も大事でしたよね。1曲目は一番アガる曲を入れて、その次は落ち着いた曲で……、とか考えながら、自分だけのオリジナルテープをつくっている時間がすごく楽しかった。
八満:当時売っていたCDアルバムを振り返ってみると、確かに1曲目や2曲目にイチオシの曲を入れるって風潮がありましたね。マイテープでも曲順は重要でした。音楽プレーヤーで聴くのが主流の今では、シャッフル機能とかもあるし、曲順を気にする人は減ったでしょうね。
<80年代オーディオ名鑑>
●パイオニア PL-7L
1984年に発売されたアナログプレーヤー。特徴は全方向ダブルインシュレーションシステムと、フードインシュレーションシステム。あらゆる方向からの振動を効果的に抑制して、優れた音質を届けていた
●デノン DP-57M
デノンの中級機を代表するレコードプレーヤー。電子アームを搭載して、レコード盤に多少の反りがあっても、ふらつきなくカートリッジの性能を引き出してくれる。音飛びがなく安定感から人気を博していた
●デノン DP-59L/M
デノンから1982年に発売されたレコードプレーヤー。特にDP-59Lは、一つ前の機種でベストセラーだったDP-60Lの「アームパイプ交換方式」に加えて、「純電子式アームダンピング機構」を搭載した製品だった
●BOSE 101MM
オーディオファンに人気だったスピーカーの筆頭がBOSE。なかでも101MMシリーズは、そのコンパクトさからは想像できない低音感や鳴りっぷりが話題となり人気だった。世界中でヒットしBOSEを代表する製品になった
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1354381
BOSE 101MM
●ソニー TPS-L2
初代ウォークマン。ソニー創業者の1人である井深大氏が海外出張の際に「飛行機の中でステレオ音楽を手軽に聴きたい」といったニーズから、再生機能専用のウォークマンが誕生した。ちなみに初期ロットには「WALKMAN」のロゴがない
●ソニー WM-2
2代目ウォークマンとして小型化と軽量化を目指した機種。単三電池2本で9時間連続再生ができ、付属のバッテリーケースに単一電池2本を入れると約60時間も使えたので合計69時間の連続再生が可能だったのも特徴
ソニー WM-2
●ソニー WM-20
カセットケースサイズまで小型化されたウォークマン。テープの存在を確認できたり、斜めに配列された操作キーのスタイリッシュさが時代を象徴している。青やピンクなどカラーバリエーションも豊富だった
ソニー WM-20
●ソニー D-50
世界初のポータブルCDプレーヤー「ディスクマン」。初期のCDプレーヤーは10万円以上の値段がしたが、それが安くなり庶民にも手が届く存在になった。CDの普及はこの機種と共にあったといっても過言ではない。1984年発売
ソニー D-50
●アイワ HS-P1
1981年に発売されたアイワ初の再生専用カセットボーイ。当時のミニ独立国ブームに乗っかり「カセットボーイ共和国」なる企画も展開された。他社製品より廉価だったこともあり、学生を中心に人気を博した
●アイワ HS-F2
当時としては世界初となる再生オートリバース付、録再が可能なカセットボーイ。当時は、オートリバース機能がない製品の場合、クルマの運転中にカセットテープをひっくり返そうとして事故を起こす若者も多かったとか。1982年発売
アイワ HS-F2
●アイワ HS-P5
1983年発売のカセットボーイ。世界最小最軽量(当時)のヘッドホンステレオが付いていたのが特徴だった。当時はヘッドホンステレオもインナーイヤー型、ヘッドバンド型などがあり、ユーザーの好みが分かれていた
アイワ HS-P5
●サンヨー MR-WU4
三洋電機のポータブルラジカセ。「おしゃれなテレコU4」のネーミングで親しまれたシリーズ。それまでのラジカセは黒が定番だったが、赤も人気に。アイドルがこのラジカセを持ち海辺を走るCMも当時の若者たちの心をつかんだ
取材・文/上野智
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