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前川喜平・前文科事務次官が証言「加計学園獣医学部新設は、素人が説明・評価して進められた」

加戸守行・前愛媛県知事は、地元に大学が来れば何でもよかったのでは

加戸さん

獣医学部新設を喜ぶ加戸守行前愛媛県知事(右)は前川氏の文科省での先輩にあたる

――前川さんの元上司でもある加戸守行・前愛媛県知事は、なぜ“古巣”の政策(共同獣医学部構想)に逆行する主張をしたのでしょうか。 前川:加戸さん自身が文科省で高等教育行政をほとんどやったことがない。文科省OBというよりは愛媛県知事経験者として、とにかく地元に大学が来てくれれば良かったのだと思います。国家戦略特区の目的は「日本中でどこにもないものを作って国際競争力の強化と国際的拠点を形成する」ということ。もし作るのであれば「国際競争力」のある、「国際的拠点」と言えるようなものにしなければならない。 ――しかも加計学園の場合は、教員と学生の比率が約1対3(国立大学は約1対1)という国内最低レベルです。 前川:(国際競争力のある国際的教育拠点になるのは)ありえないですよ。計画をどうやって実現するのか、本当に質の高い教員を集められるかという具体的な道筋については何一つ語っていない。それでも、獣医学部新設が決まってしまうわけです。  さらに前川氏は「加計学園獣医学部新設の“司令塔役”は和泉洋人首相補佐官だろう」とも指摘する。また、今治市民からは加計学園の建設費水増し疑惑・賄賂疑惑に関する告発も出てきた。これら多くの疑惑が未解決の加計学園問題について週刊SPA!8月22日発売号掲載記事「加計学園 黒幕と補助金水増し」では、さらに詳しくリポートしている。 【前川喜平氏】 1955年1月、奈良県生まれ。東京大学法学部卒業後、1979年に文部省入省。初等中等教育局教職員課長や官房長などを経て2016年6月、事務次官に就任したが、2017年1月に天下り問題で引責辞任。祖父は前川製作所の創業者。 取材・文・撮影/横田 一 写真/時事通信社
ジャーナリスト。『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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週刊SPA!8/29号(8/22発売)

表紙の人/ 岡田准一

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