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BABYMETALが世界を征服!「ラウド系アイドル」を生んだアイドル&ガールズ・バンドの歴史【山野車輪】

早川めぐみからFukiまで、女性メタル・ソロ・シンガーも負けてはいない

 80年代のインディーズ・メタル・シーンにおいては、女性ヴォーカルのバンドはそれなりに存在したが、芸能メタル・シーンにおいては、女性シンガーはソロ活動が主流だった。早瀬ルミナと早川めぐみの2人が、彼女らの歌唱スタイルから、アイドル・メタルに分類されるだろう。  90年代は、アイドル・シーンとジャパメタ、双方が冬の時代を迎えていた。ソロ・シンガーは、Jポップ・アーティストというイメージ戦略でもって売り出され、その中で、SHOW-YAを脱退した寺田恵子、第13代クラリオンガールで、『美少女戦士セーラームーン』の主題歌「ムーンライト伝説」の作曲者の川島だりあ、X-RAYやRAJASのメンバーのバックアップを受けたREIKA、アニソンの主題歌に抜擢された須藤あきらと真行寺恵里などが、比較的ハードな楽曲を唄っていた。しかし、いずれも、ヘヴィメタルとは言い難い。この頃は、“メタル・クィーン”と称されていた浜田麻里もヘヴィメタルから離れていた。  現在は、集団グループ・アイドルの時代だが、嬢メタルやラウド系アイドルの盛り上がりもあって、女性メタル・ソロ・シンガーの活躍もちらほら見られる。RAMI(Raglaia)、矢島舞依、SIN ISOMERなどが、メタラーにも知られている。中でもトップを走っているのがFuki(Fuki Commune)だろう。彼女は、2006年にLIGHT BRINGERのヴォーカリストとして登場した。

Fuki 擁するLIGHT BRINGER(ラブリー)とUnlucky Morpheus(あんきも)(著者撮影)

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日本独自のジャンル、ラウド系アイドルの勃興
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  だが、実はジャパニーズメタルは、長らく洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 本書は、メディアでは語られてこなかった暗黒の時代を振り返る、初のジャパメタ文化論である。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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