ここからは、ガールズ・バンドについて述べたい。ガールズ・バンドの歴史は、1977年に結成されたガールズ、1979年に結成されたZELDAから始まる。 　80年代後半、SHOW-YAやプリンセス・プリンセスが人気を博し、ガールズ・バンド・ブームが起き、1989年から深夜放送された音楽番組『三宅裕司のいかすバンド天国』からPINK SAPPHRE、ノーマ・ジーン、ジッタリン・ジンなどがメジャー・デビューしている。 　2000年代には、バンドル（バンドでもないアイドルでもない新ジャンルという意味らしい）として売り出されたZONE、「現役女子高生バンド」として登場したSCANDALが話題になった。また2009年に放送されたTVアニメ『けいおん！』の影響で再びガールズ・バンドのブームが到来した。 　ガールズ・バンド・ブームからは、ガールズ・メタル・バンド、またヘヴィメタルに近しいシーンで活動するバンドも生まれた。嬢メタルについては前回の記事で紹介させていただいたが、彼女らとは多少毛色の違うガールズ・バンドをあげれば、Mary’s BloodのSAKIが在籍した3人組グループのmixx、Gacharic Spinがヴォーカル不在時に、LIGHT BRINGERのFukiを起用したことが縁で結成されたDOLLS$BOXX、メイド服とヘヴィな楽曲のギャップが売りの5人組ガールズ・ロック・バンドBAND-MAIDなどがあげられる。 　ところでBAND-MAIDは、ライヴを「お給仕」、ファンを「ご主人様」、「お嬢様」と呼んでいる。これはV系バンドのLUNA SEAが、ファンのことを「SLAVE（奴隷＝とりこになった人、献身する人の意）」と呼ぶのと真逆である。こういう表現にも“男尊女卑”な性差による秩序が垣間見えて面白い。

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女性メタル・ソロ・シンガーも負けてはいない