雑学

偏差値や英語力もアップ?「子供の糖質制限」の効用を達人・金森重樹が解説

kanamorilogonew ダイエットや糖質制限にまつわる数々の常識を疑い、独自調査を行う本連載。糖質制限の達人・金森重樹氏が第七回のテーマに選んだのが「子供の糖質制限」だ。いったい、どんな逆説が飛び出すのか!?

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 僕が提唱する高脂質ダイエットについては、現在もツイッターを中心に賛否両論、さまざまな意見をいただいています。また実際に高脂質食ダイエットに挑戦中のモニターさんの中には、この2ヶ月ほどで女性では5キロ減、男性では10キロ減の方も続出しています。いま話題の「ZOZOスーツ」を使って、全身を計測している方もいます。

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金森氏が提唱する高脂質食ダイエットを実践するフォロワー・ぶりさんのツイート。同様の声はいくつも挙がっている

 前回はカロリーオフ食品にひそむ糖質のワナ、野菜ばかり偏って食べすぎると“ダイエット脂肪肝(低栄養性脂肪肝)”になる危険性について、お話ししました。一見ヘルシーで「バランスが良い」と言われている食べ物の通説や常識――それらを疑うことで見えてくる意外な事実があるのです。

 今回も引き続き、僕の元に寄せられる疑問、質問を検証していきたいと思います。

 最近、何件かいただいている質問の中に「子供に糖質制限をさせていいか」というものがありました。

 子供に糖質制限を取り入れるか、否か。このテーマを考えてみたいのですが、おそらく皆さんの中にも、

「育ち盛りの子どもにはゴハンが必要!」

「糖を摂らないと頭が働かない!」

 なんて反論があるかもしれませんね。親御さんの気持ちを考えれば、わからなくはない話です。しかし、結論から言うと僕は子供の糖質制限に肯定的です。

赤ちゃんのエネルギー源は脂だった!


5b32b37f05eeb025218dc103affb16ec_s そもそも、胎児や新生児は、エネルギー源に糖を必要としていません。胎児や新生児の熱源となるのは、ケトン体です。

 ケトン体とは、この連載の第5回で書いたように、「ヒトが糖質を摂取しなかったときに、脂肪を分解してエネルギーに変える際、血液中に放出される物質」のことです。つまりケトン体は、脂肪の代謝産物です。

 糖尿病治療に詳しい宗田哲男医師は、ケトン体測定電極を使って生後4日目に行う先天性代謝異常の検査(ガスリー検査)の際に、新生児のケトン体を測定しました。

 この際、新生児には基準値よりもはるか高値のケトン体の数値が認められたといいます。生まれて数ヶ月後の検診時にも同様の検査をした結果、乳児のケトン体は高値だった。また胎児に関しても、母体の絨毛や胎盤内でケトン体が作られ、脂質を栄養にして成長していることが述べられています(※出典1)。

 つまりこれまでは「人間の熱源はブドウ糖だ」と言われていましたが、人間の発生初期は糖ではなく、脂肪を熱源にして、ケトン体を体内で発生させていたのです。

人類の主食は骨だった!?


 人間と栄養の話を調べていくと、離乳期の乳児についても興味深い論考がなされています。ここで紹介するのは、1920年代に行われたカナダ人のクララ・デイビスという小児科医が行なった実験です。

 クララ医師は自身が運営する孤児院で、離乳期の乳児に野菜や肉、ミルクなど34品の食べものから、好きなものを自由に選んで食べさせました。その結果、離乳児がもっとも好んだ食べ物は、なんと脳と骨髄。逆に不人気だったのは野菜だったといいます。

 脳や骨髄には、脂肪酸やタンパク質やカルシウムなどの栄養が豊富に含まれています。そもそも、まだものの食べ方もわからない幼児には、「脳が気持ち悪い」という先入観はありません。

骨 つまりここで言えるのは、人間が本能的に求めるのは、脂肪が豊富な動物の骨髄や脳だったということ。これを「骨髄主食仮説」といいます。そして、この骨髄主食仮説の見地に立ったとき、離乳期におかゆを食べさせることは、自然の摂理に反していると言えるはずです。この実験結果は、「我々の祖先がなにを食べていたか」を示すものだと思います。

 さらに調べを進めると、霊長類研究者・島泰三氏の興味深い説にたどり着きました。島氏の著書『親指はなぜ太いのか』によると、400万年前の人類の主食は、なんと骨だったというのです。

 人類は、大型獣が食べ残した骨を拾い集め、それらを石でかち割って、中の骨髄をすすって、骨を歯ですり潰して食べていた「ボーン・ハンター」だったことが、詳細なデータから述べられています。

 人類学的な側面からも「骨髄主食仮説」は、なかなか説得力があることが分かりますね。

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小児てんかん治療や学習効果まで。子どもの糖質制限の可能性

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