世界一売れてるスコッチウイスキーが四角い瓶になった理由
四角い瓶に斜めにラベルが貼られているウイスキーをご存じでしょうか?
「ジョニ赤」「ジョニ黒」といった愛称で呼ばれる「ジョニーウォーカー」というスコッチウイスキーです。
今から201年前、14歳の少年ジョン・ウォーカーが農場を売却した資産を元に食料雑貨店を開業。紅茶やスパイスを混ぜるのを見て、ウイスキーのブレンドにチャレンジしました。1819年のこととはいえ、14歳で開業というのが驚きです。
ジョンの息子アレキサンダーは大量生産をスタートさせたうえ、今でも受け継がれている、ある工夫をしました。船で輸送する際に大きく揺れても破損しないように、箱にぴったり収まる四角いボトルを採用したのです。
1909年、アレキサンダーの2人の息子は、主力製品の名称を変更しました。若いウイスキーを「ジョニーウォーカー レッドラベル」、より熟成したウイスキーを「ジョニーウォーカー ブラックラベル」にしたのです。ジョニーは創業者ジョンの愛称です。
1934年にはジョン・ウォーカー&サンズ社は英国王室御用達となり、今でも「ジョニーウォーカー」が納められているとのことです。同時に、世界中で飲まれるようになり、現在でも世界一売れているスコッチウイスキーとなっています。
この「ジョニーウォーカー」は、古くから日本でも親しまれてきました。
1971年のドルショックのとき、漫画『サザエさん』に「ジョニーウォーカー ブラックラベル」、通称「ジョニ黒」が出てきます。ドルが下げたので円高になったため、9000円で買った「ジョニ黒」の価値が下がったと、その「ジョニ黒」でやけ酒する話です。ちなみに、当時の9000円は今なら2万7000円相当となり、相当な高級酒となります。磯野家はなかなかお金持ちだったようです。
村上春樹の『海辺のカフカ』にも、ジョニー・ウォーカーという人物が登場します。そのまま、ウイスキーボトルの人物に扮しています。2020年1月から放送していたアニメ『ID: INVADED』にもジョン・ウォーカーという同じ扮装をしたラスボスが登場しています。ちなみに、他の登場人物もお酒の名前ばかりです。主人公の鳴瓢=「鳴り瓢」、上司の百貴船太郎=「百貴船」、ヒロインの本堂町は池田酒造、イケオジの松岡黒龍は福井県吉田郡永平寺町松岡にある黒龍酒造から取られているようです。
漫画『サザエさん』にも円高エピソードで登場した「ジョニ黒」
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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