バツイチフェチ(下)

 大学、もしくは短大卒業してすぐ、それなりの有名企業就職

 容姿端麗華やかなオーラを振りまく彼女は、たちまち社内でも一目置かれる存在に。

 途切れる間もなく次々と言い寄ってくる、自信を漲らせた男たち。

 そのうちの一人と就職後一年も経たずにゴールイン

 見た目、肩書きともに申し分のないカップルの速やかなる誕生に、
周囲からは羨みと嫉妬のため息が、ただただ漏れる。

 しかし、”社会人としての遊び”を体験し損ねた彼女の中に灯り始める
フラストレーションという名の火種。

 夜遊びセックスレス、そして浮気心……そんな放蕩を繰り返しながら、
早まった結婚に対する後悔の念は深まっていく。

 もはや、非の打ち所がない夫婦という周囲の評価をなぞるだけの毎日は、
自らのプライドを守るだけの苦行でしかない。

わたしの人生に失敗なんて、あり得ない!

 家庭内別居を辛うじて支えているのは、こんなマントラ……。

 しかし数年後、彼女はふと目覚める。

子どもがいないうちにやり直そう!

 渡りに舟、と冷え切った関係に疲れ果てたダンナは離婚届に判を押す。

……みたいなストーリーを持つバツイチが、とくに最高だと私は考える。

 その素晴らしさの一端を挙げてみよう。

● 子どもを生んでいないから外見的に老けていない。

● 結婚期間中、たとえ共稼ぎだったとしても、リアルなから人間関係からは隔離されていたため、
一種の浦島太郎状態。ゆえに精神年齢が低い、というよりは若い。

● 一度結婚に失敗しているので、男を外見や条件で判断しない。相性のみを重視するという、
ある意味諦観的な結婚観を持つ。

● 家事をルーティンワークとして経験していたため、経済観念が庶民的かつ料理は栄養重視で、
しかも上手い。

● セックスレス状態が長かったため、セックスに貪欲。

 どうです? 本来、自分には不釣り合いな美女を、誠実という衣を纏うだけで、
伴侶にむかえることができるかもしれんのですぞ!

 ただ問題は、こういったバツイチ美女と、どこで出会うかってこと。
やっぱ、運に任せるしかないんでしょうかね……?

2011.01.31 |  2件のコメント

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

“バツイチフェチ(下)” への2件のフィードバック

  1. イスンヨプ より:

    仕事が忙しくて殺伐としてきたとき、このブログを読むと、なんだかいろんなことがバカらしくなりますな

  2. ごめす より:

    私も、仕事が忙しいときに、このブログを書くと、いろんなことがバカらしくなります。(ゴ)

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