巨人の円陣問題はパチンコの違法釘に通ずる!?
POKKA吉田……’71年大阪府生まれ。ぱちんこ業界紙、遊技機メーカー系シンクタンクを経て、’04年にフリー。ぱちんこ専門のジャーナリスト。会員サイト運営、連載、講演、テレビ出演など多数。蔓延するぱちんこ業界関連情報のウソを全否定し真実を説く。著書に「パチンコ オカルト信者につけるクスリ」小社、「石原慎太郎はなぜパチンコ業界を嫌うのか」「パチンコがなくなる日」(主婦の友新書)、「パチンコ業界タブーな人々」(宝島SUGOI文庫)など
POKKA吉田:落としどころを
パチンコの違法釘みたいにしたらよかったのにね。野球賭博そのものはしゃあないにしても、守備練習や円陣でのカネのやりとりについては、「そういうことをやっていた疑いがある」ぐらいにとどめて、今後改善しますみたいなね。
やまもといちろう:違法釘問題ってパチンコメーカーが責任を認めて、問題のある台を入れ替えて、ある意味お金で解決するということじゃないですか。でも、野球賭博の場合って、若い選手の人生を台無しにするんです。巨人の笠原、福田、松本のうち2人は20代前半ですよ。もちろんやったことは悪いですよ。でもそれでおそらく残り50年はある人生を台無しになるぐらい責められなければならないのかっていうと、彼らの弁解も聞いてあげないとダメだし、再起の道筋を示してやらないと球界としてマズいんじゃないかと思う。出場停止も例えば1シーズンだとか、そのぐらいでまず留保しておいて、契約解除じゃなくて、まだユニフォームを着て活躍できる可能性は残してあげたいなと。
木曽崇:結局、野球協約そのものを一回凍結するってやり方しかないじゃないですか。今は野球賭博があるって事実が分かった時点で選手や球団に告発する義務があり、告発された時点でもう、あとは失格処分になるって、もうルートが決まっちゃってる。
やまもといちろう:昔からある因習の中でやってきたもので、たまたまそのときの若いコがやったからって、若いコの責任なのかってことですよね。球団なり選手OBなり関係者の責任ってあると思うんですよ。そこにスポーツマスコミの方がいて、記者席で蝶よ花よでやってるわけで……。先輩選手が賭けてたのに自分も賭けないわけにはいきませんからっていう言い分があるじゃないですか。
POKKA吉田:しかも高木京介が1人で会見するのをみたら、あんなに鼻の穴を広げて可哀想なくらいちゃんと反省してた。やっぱりコッチもグッとくるもんあるじゃないですか、野球好きやから。なんか復帰の道がありゃあなぁって個人的には思うんだけど。
やまもといちろう:厳格な処分を行う方針のもとに、巨人は若い3選手をいきなり解雇しちゃったんですが、他に適切な方法があったのかもしれません。もちろん処分は必要としても、しっかりとアフターフォローして管理下に置かなかったから……そりゃみんな言いたい放題やっちゃいますよ。
POKKA吉田氏が思い入れたっぷりの巨人高木京介は、この座談会後、解雇ではなく一年間の失格処分が決定され、その後球団から契約解除の発表があった。長らくなあなあで見過ごされてきた球界の賭博体質に昨年いきなりメスが入った一件は、POKKA吉田氏のフィールドであるパチンコ業界でも似た事態が起きている。新刊『
パチンコが本当になくなる日』でも詳述した、違法釘問題である。
やまもといちろう:去年ぐらいからコンプライアンスの変更と共に、それまで隠れていたものが明らかになってきてる気がするんですよ。パチンコの違法釘問題だってそうじゃないですか。今までなんとなく許されてて、いきなり警察庁から大門課長補佐がでてきて大モメじゃないですか。急に変わりましたよね。
POKKA吉田:「なんで急に変わったの?」ってパチンコ業界的には言いたいよね。たぶんプロ野球球団も声出し円陣が、なんで急にそんな話になんのって思っているんじゃないかな。
やまもといちろう:プロ野球の賭博は、抗争中の某広域暴力団について警察が調べる過程で出てきた話だと聞きます。必ずしも野球そのものをキレイにしようって動きからじゃないのが、気持ち悪いですよね。“野球の本筋”で何かを調べた結果、どうやら賭博があるようだ、と辿り着いた話じゃないんですよ。
POKKA吉田:だから府警本部も警視庁もマル暴なんですよね。
やまもといちろう:だから巨人にとっては、ある意味“もらい事故”なんですよね。巨人からしたら、とばっちりというか、不運だったと思うのです。暴力団とのつながりを調べるんなら、先に挙げるべき球団はあるだろうという気持ちでしょう。