更新日:2022年07月02日 09:56
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パチンコ違法釘問題から野球賭博、ソシャゲ問題まで言いたい放題座談会【POKKA吉田×やまもといちろう×木曽崇】

パチンコ違法釘問題で集団返金訴訟が起こる!?

 公安委員会が監督する保通協がお墨付きを押したパチンコ台で、実は違法なクギ調整が行われていた。パチンコ業界は、メーカーが不正な台を回収して一件落着を決め込んでいるが、これから大規模な集団訴訟に見舞われる可能性がある。
POKKA吉田×やまもといちろう×木曽崇 パチンコ違法釘問題から野球賭博、ソシャゲ問題まで言いたい放題座談会

もし、テレビで放送したら確実に「ピーッ!」の連続となった今回の鼎談。パチンコの違法釘から野球賭博、ソシャゲ問題と一見してまるで異なる問題のようだが、その実、根元では繫がっている

POKKA吉田:とはいえ、パチンコってもともと領収書的なものが発行できるものではないから、使った金を返せって返金訴訟になるんだったら、どれぐらいその人が使ったのかある程度の数字が示せないと、裁判は難しそうな気はする。そのホールの会員なら会員データでいくら使っているか分かるけども、一見客ならムリなんじゃないか。 やまもといちろう:そこは法規上の問題なんですけども、おそらく何らか話が動くとするならば、特定適格消費者団体による集団的消費者訴訟になるでしょう。被告事業者側の責任を認定する段階においては、個々の消費者の具体的な被害額を証明する必要はそこまで厳格にはないですから。 POKKA吉田:金額的にはパチンコは相当でかいですからね。 木曽崇:圧倒的にでかいですね。 やまもといちろう:唯一クラス分けするとなると、ホール業者側の区分による、会員か会員じゃないかということでなくて、依存症対策のプログラムを受けていたかどうか。受けていたクラスは確実に高いレートになります。依存症になっていたので年収のうちこれぐらいの比率を使っていたとか、若しくはパチンコにのめりこんでいたせいで得られたはずの一定の所得を阻害されたとか主張して補償を求めるでしょうね。 木曽崇:あとはどういう風にホールに請求するかですよね。違法釘について、今のところはメーカーが悪いことになってるから。 POKKA吉田:ホールは消費者との訴訟でお金を返すにあたっては、メーカーのお前らが払えよって話になる。 やまもといちろう:それを監督しない警察庁はなんなんだって話になるんだけど、警察庁は指導の誤謬があったかっていうと保通協で決めていたものをそのまま流しているだけだから、それを守らないのは業者が悪いで終わる。当たり前のことですけど。警察庁は監督責任を100%阻却できるのが怖いところです。門前払いですよ。 木曽崇:POKKA吉田さんの『パチンコが本当になくなる日』を読んで思ったのは、実は複数の業界団体が、警察庁の指導を意味をどう汲むかというバトルが繰り広げられているというのが印象的でした(笑)。 POKKA吉田:パチンコ業界の上にいるエライ人たちは、ふだんは机の上に足を靴はいたままのっけてふんぞり返っているような連中もいるんですよ。立派な人もたくさんいるんですけども、だいたいが会社に戻ればキングなんです。それが30代ぐらいのぺーぺーの警察庁課長補佐の一言二言を気に病んで、みんなで集まって「あの発言はどういう意味か? こういう意味か? いやそうではないだろう」なんてやりとりをしているんだから笑えますよ、というか笑えないのか(笑)。 やまもといちろう:いいよね、そういうの大好き(笑)。 POKKA吉田:Vシネマとかでこういうの作ってくれないかな(笑)。 木曽崇:逆に業界が消費者側にお尻向けてて、どちらかというと規制官庁の方ばかりずっと見てる。そうすると、こういう問題が世の中にバーッて出たくると、今まで何にも説明されていない人たちは当然「なんだあれは?」ってことにしかならない話なんですよね。もうちょっと消費者に向かっていろんなこと説明したっていいじゃないですか。 やまもといちろう:でもそれをやっちゃうとやぶ蛇だってのもありますしね。だからこそ、POKKAさんの『パチンコが本当になくなる日』はこのタイミングで出した意味はものすごくでかいんですよ。 木曽崇:業界のエラい人の大半は基本的に警察庁に向かって、消費者にお尻むけて仕事してる人たちばっかり。POKKAさんの本を読むと、そういった舞台裏を消費者が知ることができるんですよ。 やまもといちろう:野球賭博、パチンコ違法釘問題、ソシャゲと一見して何の関わりもないようなことだけど、実はそれらの問題構造はすごく似ている。日本の病巣の一端をPOKKAさんの本からは読み解くことができますよね。 構成/SPA!ギャンブル問題取材班
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パチンコが本当になくなる日

2015年に激しく揺れ動いたパチンコ業界。その病巣に鋭く斬り込む!

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