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田園調布にはコンビニが無い!? 自由が丘で“半グレ”を目撃…没落する「セレブタウン」の実態

田園調布 しかし、そんな名士たちも問題に直面している。豪邸の莫大な固定資産税に苦しむようになり、売却を検討するも買い手が見つからず、途方に暮れる人が続出しているのだという。都内の不動産業K氏はその背景をこう説明する。 「都心のいわゆる高級住宅街のほぼすべてには『建築協定』と最低敷地面積の取り決めがあります。どちらも街の土地を必要以上に細かく分割させないためのもので、田園調布の場合、土地を165㎡(50坪)以下に分割することができない。つまり売りに出しても、購入者は最低でも50坪の宅地を買う必要がある。莫大な値段ですから、需要がまったくないのです。実際、某音楽コンテンツ会社Aの社長も自宅を売却したいのに売り手がつかず困っているそうです」  さらに世帯主が死亡した後は相続税も問題になる。近年では相続放棄されるケースが多く、無数の空き家が生まれているという。  もうひとつ、深刻な問題が高齢化だ。街を歩いてみると歩行者の8割は老人だ。その需要を当て込んでか、「鍼灸院や整体院の数がやたらと増えた」(スポーツ用品店店員)。半世紀以上前から田園調布で暮らしてきたという商店の店主(80代)は寂しげに語る。 「昔から皆さんテニスなどを嗜まれたものですが、現在の町内のテニスサークルの平均年齢は70歳。長年付き合いのあるご近所さんを最近見かけないと思っていたら、老人ホームに移ったことを後から知るというのも増えましたね」  駅前で唯一、見つけた若者は親名義の一軒家に一人で住んでいるという男子大学生。 「ATMにお年寄りが長蛇の列をつくっていて、みんな動作が遅いので10~20分待つことがザラにあり、発狂しそうになります」  彼にとって田園調布に住む利点は「『田園調布に住んでる』っていうとみんな驚くから話の掴みになる程度」。それ以外のメリットはないと言い切っていた。
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“半グレ”が目撃される高級住宅地
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