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「女を抱いた後の飯は美味い」態度の悪い風俗嬢に勧められた絶品ナポリタン――爪切男のタクシー×ハンター【第二十話】

風俗嬢がオススメしていたナポリタンを注文してみる。ナポリタンを頼んだらナポリタンが来た。それだけで嬉しい。見た目は全くもって普通のナポリタンだが、少し太めの麺とケチャップのバランスがなんとも素晴らしい。べチャっともせずカラっともしていない絶妙の混ざり具合だ。良い意味で適当にざく切りされた野菜が無造作に置かれている。何の変哲もない普通のソーセージが普通に美味しい。いつだって本当に美味しい料理はシンプルなものだ。 お冷の交換に来た篠さんはナポリタンを頬張っている私に 「本当に美味しそうに食べるね! 女抱いた後にそんな顔で飯食えたら一人前だよ!」 と言って大声で笑った。キンキンに冷え過ぎたお冷、シックなデザインで落ち着いた雰囲気の店内、上品な空間に響き渡るウェイトレスの下品な言葉、シンプルで美味いナポリタン。その日から私はその店に通い詰めることになった。 通い詰めるとはいっても、私がその店に寄るのは常に風俗帰りだった。悪びれない私の様子に最初は呆れていた篠さんも、やがて観念して「スケベさん、今日はどんなお店に行ってきたんだい?」と聞いてくれるようになった。風俗に行った帰りに美味しいナポリタンを食べながら、下品なウェイトレスにその日のプレイ内容を話す。嫌な顔一つせずに私の話を聞いてくれる篠さん。その時間はとてもキラキラ輝いていた。私のように篠さんの魅力にやられたボンクラ男共で店は常に賑わっていた。
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一年間も通い詰めると
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死にたい夜にかぎって

もの悲しくもユーモア溢れる文体で実体験を綴る“野良の偉才”、己の辱を晒してついにデビュー!

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