更新日:2017年11月13日 16:19
エンタメ

カリスマ男の娘・大島薫「仕事での失敗後に、堀江貴文さんからかけてもらった言葉」

夜道を歩きながらの堀江さんとのやりとり

 堀江さんから指定されたショットバーに到着し、久しぶりの会話を楽しむ。しかし、そんなことがあったからか、ボクはどこか心ここにあらず。落ち込んでる話を、無関係の堀江さんにするのもウザがられるのではと思い、自らそれを説明することはしていない。  夜道、タクシーを探して帰ろうとみんなで歩いていたとき、堀江さんは突然こんなことを言った。 「俺はさ、恋愛と仕事だったら恋愛を優先してきたんだよ」  すべてを見透かしたかのような発言に、ボクは最初「ウソだ」と失礼ながら思った。堀江さんが頻繁にテレビに登場するようになったとき、ボクは高校生で、世間の人と同じ目線で彼を見ていた。テレビで観る堀江貴文は、何でもわかっているクレバーな存在で、逆にわからない人の気持ちを理解しない人間味のない人に思える。  しかし、だからこそ堀江さんはいまの地位を築けたのだ、と実際の彼を見ていてもボクはそう感じていた。そして、ボクもそういう人間にならなければいけないと信じていたのだ。  だからボクは素直に「意外だね」と言った。すると、堀江さんは 「そんなことないよ。俺は、もし仕事とデートの約束がかぶったらデートを優先するタイプだよ」  でも、そしたら仕事ができなくなるじゃん。それで”たかぽん”みたいに成功したりできないでしょ? と食い下がるボク。 「いや、むしろ、俺はそうだったから《今》の俺があると思うね」  本当にボクはその言葉の意味がわからず、またしても「うそっぽい」と正直に返してしまった。 「それで失敗したときは、あとで仕事の人に『すみませんでした』って謝ればいい。君もそれでいいんだよ」  ……。 「そういう人のほうが、もっと人に好かれる人間になれるし、そういう人の元に仕事のオファーもやってくる。なによりそのほうが魅力的だと思うよ」  どうしてこの人はそんな言葉を言えるのだろう。全てをわかっている人なのに、本当はボクらが何もわかっていないことについても、彼はわかっているのだ。  ボクはいまだに自分のしでかしたことについて、納得がいっていない。なにが正しかったのか、わからない。しかし、わかっていないことをわかるために、今日も自分の感情と向き合いながら、生きている。 【大島薫】 作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru
1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru
1
2
大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと

女の子にしか見えなくても100%男の子な大島薫が書き下ろした、オトコの身体を極める性の教科書

おすすめ記事