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百合漫画は“女心”を知るための最良のツールだった!【カリスマ男の娘・大島薫】

一晩中帰ってこなった友達を、男は心配する?

 話を戻して、ボクが『2DK、Gペン、目覚まし時計』で一番好きなシーンに触れてみよう。第4巻のOLの奈々美が朝帰りをしたときのこと。同居人のかえでが朝まで奈々美の帰りを待ち、知人の女性と一緒にいたことを知ってかえでが安心する。そのときのセリフが以下のようなものだ。 「何があっても何時に帰るのも奈々美ちゃんの自由だから、私は関係ないから。私に連絡する必要ないって思ってたんだけど……。や、やっぱり、一言でいいから何か言っといてほしい」
『2DK、Gペン、目覚まし時計。』

『2DK、Gペン、目覚まし時計。』全4巻が発売中

 奈々美とかえでに恋愛関係はないが、この感覚も女性特有だと感じる。男はどれだけ仲のいい男友だちが、1日くらい連絡が付かなくてもその身の心配をすることは少ない。どうせ酔っぱらってどこかで寝てたりするんだろうなくらいだ(恋人なら別だが)。  しかし、女性は女性が出歩く際の危険性について、その身を持ってよく知っている。ボクも男性であることに変わりはないが、この見た目になってから意識を失うほど外で泥酔することがなくなった。中身が男性であれ、やはり女性の見た目で外にいるということは危険が付きまとう。  女性は女性に対して、女性の持つ強さも弱さも知っているだけに、ある意味では一番の理解者だ。 「私が男なら、このコを幸せにしてあげられるのに」  そんなふうに思うこともあるかもしれない。そういう女性の微妙な距離感が好きだ。だからこそ安易にセックスをしたり、付き合ったりしないでほしい。  ボクのように女装で生活をして女性の世界を体感するのは突飛な例だが、もし女性の感覚に触れてみたいと考えている男性がいるなら、一度、百合漫画を読んでみてはいかがだろうか。男の自分には理解できない、想像もつかないような感情を垣間見たとき、ちょっと貴方の世界が変わるかもしれない。 【大島薫】 作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru
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