“平均年収”約25万円。昭和30年代の日本のようなウズベキスタンでスポーツカーがモテない理由
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
読者諸兄にはまったくどうでもいいであろう、ウズベキスタンの交通事情第3弾。最終回である今回は、「ウズベキスタンではどんなクルマがモテるのか!?」をお送りします! さらにどうでもいいネ!!
ウズベキスタンの平均年収は25万円くらい。都市部でも60万円くらい。日本の昭和30年代というところでしょうか。
で、ウズベキスタンでは、95%くらいのクルマが、現地工場のあるGMウズベキスタン製のシボレーブランド車です。車名を書いてもカーマニアである私ですらピンと来ないんだけど、日本で言えばこのようなラインナップだ。
ダマス(スズキの開発)=エブリィ(軽ワンボックス)
マチス/スパーク(韓国GM開発の“軽車”)≒ムーブ(軽)
ネクシア≒カローラその1
コバルト≒カローラその2
ラセッティ≒カローラその3
この上にマークX相当とハリアー相当もあるが、そっちは年収の10倍以上って感じなのでほぼスーパーカー。100万円台で買えるカローラクラス(ほぼマニュアル車。オートマはゼイタク)がウズベキスタンのシティボーイの憧れで、長い納車待ちを乗り越えて、無理してでも買っている。
で、モテるのはどのクルマか?
「みんなシボレーに乗ってるので、車種による差はないですね」(現地ガイド・アリ氏)
アリ氏の愛車もコバルト。クルマが手に入ればそれでOKのようです。それでも憧れのクルマはあるのでは?
「憧れはメルセデスとレクサス。あとはランドクルーザーです。結婚式の時、レンタカーで乗るのが夢です」
ウズベキスタンの結婚式は人生の晴れ舞台。パレードでは新郎新婦がメルセデスSクラス、その後ろにレクサスLSとランクルを随伴させるのがシティボーイ/ガールの究極の憧れだ。ほぼソレ専用のレンタカー屋もあった。
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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