ハリウッドセレブが破産するワケ。お金は自分のために使うな【魂が燃えるビジネス】
とはいえ、お金持ち全員がそういった末路を辿るわけではありません。たとえばヨーロッパの貴族やアラブの王族といった富豪たちはその富をキープし続けます。それが可能なのは、彼らがお金、つまり「欲望との付き合い方」を長い年月をかけて培っているからです。
しかしハリウッド俳優やミュージシャン、プロスポーツ選手など「己の才覚で成功を掴んだ人々」はそういった機会に恵まれていません。ある時を境に脚光を浴びて、そこから莫大な富が流れ込み、あれよあれよという間に取り巻く環境が変わっていってしまいます。
この世の春を謳いながら、その後転落していく彼らを見て、「あれだけの金を稼いでいて、破産するなんて馬鹿なんじゃないか」とこき下ろす人がいますが、それは間違いです。もし彼らと同じ境遇に突然立たされたら、私たちもお金の持つ魔力に翻弄されてしまうでしょう。実際に、宝くじの高額当選者が数年後に破産するケースは珍しくありません。
人間関係、時間、金銭。どんな物事にも「それ以上は入らない」という限界、器(うつわ)があります。自分が使いこなせる金額が年間1000万円なのに、明日1億円を手に入れたら、それに振り回されてしまいます。大切なのはお金を稼ぐだけでなく、それを使いこなせるように自分の器を広げることです。
では、どうすれば自分の器を広げられるのか。その一つが「利他」です。美酒美食や高級品はどれも自分の欲求を満たすお金の使い方です。贅沢は決して悪いことではありませんが、そのために費やせるお金には限りがあります。その限度を超えて、なおも贅沢にこだわるから人生がアンバランスに傾いていきます。
「寄付」や「後進の育成」あるいは「投機ではない投資」などお金を利他的に使うと、自分の器が広がります。お金は表面的には目減りしますが、それは誰かに対する施しに形を変えただけです。その施しは巡り巡って、いずれ自分のところに戻ってきます。どうせ今の自分だけでは使い切れないのだから、お金以外の形で人や社会に預けておこうという考えです。
そして、これは何もお金持ちに限った話ではありません。資産運用は難しいかもしれませんが、「寄付」や「後進の育成」は私たちでも今すぐ始められます。富豪の体験談を調べると、自分が成功する前からこうした行動を自然に行っています。彼らは来るべき時に備えて、あらかじめ自分の器を広げているのです。
お金は自分のために使うもの。それは確かにその通りなのですが、非常識にこそ正解があるのは世の常です。「コンビニでお釣りを募金する」といった小さなことからでかまいません。あなたもぜひ今日から、他人のためにお金を使ってみてください。
【佐々木】
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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