のん×藤代冥砂「いまの若者たちにとってもっともリアルな空間」新築アパート写真展リポート
カメラマンの藤代冥砂が女優のんを被写体に撮影、東中野の住宅街にある新築アパートをまるごと貸し切るという斬新な試みのもと、6月22日~29日まで『藤代冥砂アパート写真展「東中野」主演 のん Presented by Robot Home』が開催された。
同展は、一般の住居が会場となるため、来場予約が必須となった。しかし、一般の予約はすぐに満員となる盛況ぶりで足を運ぶことができなかった人も多いはず。そこで今回は、藤代氏のインタビューとともに同展の様子をリポートする。
今回の撮影にあたり、のんはこうコメントを残している。
「藤代冥砂さんに撮っていただくのは2回目でした。冥砂さんは不思議な方で、初めてお会いした前回の時から何の気負いもなく撮影に入れました。今回も自由に漂うことができて、とても楽しい撮影でした」
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1353605
一方で、藤代氏はどのように感じていたのか。彼女の魅力とは……。
「逆説的に言えば、彼女は“芸能人らしくない”ところが魅力。芸能人らしくないのに、芸能界のド真ん中にいる。それが面白いな、と思いますね。今回の撮影は、合計で3時間程度でしたが、ヘアメイクや衣装チェンジなどもあるので、実質1時間半程度でしょうか。慌ただしく撮影していたと思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。のんびり、ゆったり。のんさんには、自由に泳いでいただいた」
これまで様々な女優やタレントなどを撮影してきた藤代氏から見ても彼女には独特な雰囲気があるのだという。
「まるで、別の星から落ちてきた人のような。意図的にやっている、というよりかは、本質的にもっているものだと思います。彼女は彼女。ほかの人間にはないものというか。僕も地球外生命体みたいなところがあるので『同じだね』って、波長が合いました」
今回の企画・プロデュースを行ったのは、音楽・スポーツ・ファッションなどのアートディレクター・デザイナーとして活動する岡田考功氏(FIRSTORDER)。写真展にあたりこう話す。
「会場は新築のアパートなので、数日後には実際に人が住み始める。要するに、この場所で2度と同じような写真展が行われることはありません。そんな特別な場所を会場に選びました」
一般の来場予約には、賃貸物件の内見予約用の“mireru”システムを採用。予約をした人に「部屋の鍵」が配信され、参加が可能となる仕組みだった。藤代氏はこうした写真展の取り組みをどう感じているのか。
「すべてのアプローチが規格外。古いアパートで、みたいなのはありがちですが、新築のアパートで、広さやプレーンな質感なども含めて……いまの若者たちにとっては、もっともリアルな空間なのではないでしょうか」
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1353612
では、女優のんを撮影してきたなかで、藤代氏がお気に入りの1枚はどれなのだろうか。
「会場の設営をしていて思ったのですが、1枚の写真というよりかは、部屋ですね。今後の彼女にとっても貴重になるはず」
その部屋には、ほぼノーメイクに近い素顔の写真が大々的に展示されていた。それは、彼女の肌の質感から毛穴まで見てとれるほどだ。
「まったくレタッチ(修正)をしていない状態の素顔がこれだけ大きな写真で出ることは将来的にもないでしょう」
まるごと一棟のアパートを貸し切っているため、各部屋ごとに違った演出が楽しめた。写真だけではなく、「東中野駅から今回のアパートまでの道のりを一緒に歩きながら撮影した」というロードムービーが投影される部屋まであった。それは、スマートフォンで撮影されたものだという。
また、今回の展示会は、魅力的な写真はもちろん、IoT(※簡単に言えば、インターネットを通じてモノを管理する仕組み)を駆使した賃貸住宅を体感できるという取り組みでもあった。例えば、窓の開閉の異常を検知するアラーム、室内の温度や湿度、電気やエアコンをワンタップで管理するシステムなど……。
すべてが新しいものではあるのだが、決して飾ることなく、“普段の生活”に溶け込むようだった。藤代氏の言葉にもある通り、「いまの若者たちにとって、もっともリアルな空間」という表現が似合う。そんな自然体な魅力で溢れた写真展だった。
<取材・文/藤井敦年>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

女優のんは「別の星から落ちてきた人」


新築アパートをまるごと使った展示会

明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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