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G1で穴を連発する意外な‟穴ジョッキー”が乗る馬は? 天皇賞秋予想

強い馬が勝っても高配当は狙える

TARO

騎手について書かれた著書『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)も絶賛発売中のTARO氏

 秋華賞のデアリングタクト、菊花賞のコントレイルと、秋G1は断然人気馬が連勝している。そして、今週末の天皇賞(秋)にはまたしても断然人気馬が出走する。史上初の芝G1・8勝目を目指すアーモンドアイである。  なんとかして高配当を手にしたい穴党としてはレース前から白旗を挙げたくなる状況なのだが、それでも馬券のことを考えれば1~3着まで席は3つある。秋華賞も単勝1.4倍のデアリングタクトが勝利したが、2着に10番人気、3着に9番人気が入り3連単は4万馬券。菊花賞も単勝1.1倍のコントレイルが勝利したが、3連単は8000円台とまずまずの配当になった。  仮にアーモンドアイが普通に走ったとしても、残る2席に入る馬を当てられれば高配当も可能なのである。そこで注目したいのがジョッキーだ。私は今年『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』という書籍を出版したが、そこで口を酸っぱくしてお伝えしたのが以下のキーワードだ。 「騎手の上手いか下手かは関係ない」  我々はどうしても、その騎手がリーディングの順位は何位なのか、何勝しているのか、上手いのか、といったことを気にしてしまう。しかし、実際馬券を買う上で重要なのは上手いかどうかではないのだ。なぜか? 上手い騎手は基本的に常に人気になるからである。

G1の穴男……戸崎圭太騎手

 例えば今週アーモンドアイに騎乗するルメール騎手。同騎手が上手いのは誰もが認めるところで、2019年以降のG1を9勝。しかし、そのすべてが1~2番人気だった。上手いのは皆が知っているわけで、馬券的な”ウマさ”は別問題なのである。通常のレース以上にライト層が流入するG1レースにおいては、特に騎手人気が偏りやすい。かつては武豊騎手、デムーロ騎手、今ならやはりルメール騎手がその対象だろう。だからこそ、G1で穴を狙うなら一般的に知名度の低い騎手を狙うのがお得なのだ。  そこで、オススメなのがG1の穴男と言うべき、戸崎圭太騎手である。  そこそこ競馬を知っているファンなら「え? 戸崎?」と思われたかもしれない。それもそのはず。戸崎騎手はかつて連続でリーディングを獲得したほどの日本騎手のエース格だ。それが穴男とは何事か!と思われても仕方ない。しかし、現実は無情かな。G1レースにおいて戸崎騎手は思ったほど売れない、地味な存在なのである。  昨年の天皇賞(秋)ではアエロリットに騎乗。積極果敢な逃げで3着に導いたが、その際は6番人気。昨年のヴィクトリアマイルではクロコスミアに騎乗し、直線しぶとく粘らせて3着。この時は11番人気と大穴だった。先週の菊花賞でもサトノフラッグで3着をもぎ取ったが、同馬は5番人気だった。戸崎騎手のG1における”地味さ”は、2019年以降のG1レースにおけるルメール騎手との人気の比較を見ても明らかである。 ルメール騎手 32回騎乗 うち1~2番人気21頭 戸崎騎手   14回騎乗 うち1~2番人気0頭  なんとルメール騎手はG1で騎乗する馬の3分の2近くが1~2番人気馬なのだ。一方、戸崎騎手は昨年から先週の菊花賞まで、一度もG1で1~2番人気馬に騎乗していないのだ。その状況下で、なんと前述の3頭を含めて実に7回、つまり2回に1回の割合で馬券に絡んでいる。  今週末の天皇賞(秋)ではダノンキングリーに騎乗する戸崎騎手。恐らく3~④番人気止まりだろうが、アーモンドアイ、そしてクロノジェネシスの強力牝馬2頭に割って入るなら、戸崎騎手のダノンキングリーかもしれない。なお、2019年以降、戸崎騎手以外でG1で頻繁に穴をあけている騎手を以下にまとめてみた。これからまだまだ続く秋G1戦線では以下のジョッキーに注目してみると、思わぬ穴馬券を獲れるかもしれない。
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秋G1で要注意の穴ジョッキー
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