更新日:2021年11月28日 14:41
仕事

年収1000万円・大企業50代ヒラ社員がリストラ、月13万円のバイトになる現実

高すぎる年収が会社にとっては重荷に

高年収崩壊

イラスト/神林ゆう

「特にターゲットにされているのは40代以降のヒラ社員です」  そう指摘するのは中央大学大学院戦略研究科客員教授の海老原嗣生氏。不況に苦しむ会社にとって、人件費の削減は喫緊の課題だ。 「とはいえ、法律で守られている正社員の給料を減らすのは簡単ではなく、年功序列制度を崩すのも容易ではありません。大企業なら50代前半のヒラ社員で年収950万円前後はもらえるようになっていて、企業の重荷になっている。ここにリストラの狙いを定めるのは当然の結果です」  さらに、企業は管理職の数も年々減らしている。’89年に、大手企業で管理職に就く50代前半社員の割合は約72%。だが、現在は同年代で40%弱まで減った。
高年収崩壊

賃金構造基本統計調査をもとに作成。企業規模1000人以上、大卒以上の男性が対象

「終身雇用が是とされていた時代には、会社は仕事がなくても管理職の役職をつくり、40~50代になれば昇進できるようになっていました。しかし、今の企業に働かない管理職を雇う余力はありません。実際のポストの数に見合った役職しかつくらなくなった結果、管理職に就く人の割合が減っていったのです」(海老原氏)

大企業に入社すると一生安泰……はもはや幻想

 また、多くの企業を見てきた海老原氏によれば、40代以上の早期退職組の4割は別企業で正社員として再雇用、ほかの4割は非正規雇用、残りの2割は再就職先が決まらないまま退職していくという。 「別企業で正社員になれても年収は430万円ほどにダウン。それも、40歳を過ぎてかつての下請けや取引先といった同業に斡旋されるわけです。  肩身の狭い思いをしながらも、住宅ローンや子供の教育費のために我慢して働き続けるほかないのです」  大企業に入社して50代で高年収になって一生安泰……そんな人生はもはや幻想にすぎない。
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社員1000人超の大企業も高年収社員の人件費をカット
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