整形、不倫、経歴詐称…親たちの“遺言”と称したカミングアウト
―[脱力系[親の遺言]泣き笑い報告]―
お正月やお盆など連休に帰省し、実家でテレビドラマを見ていたとき、食事をしているとき……元気な親が突拍子もなく放った遺言めいた言葉。時にそれは、ネタか!? というほど笑えたり、かと思えば妙に切なかったり。そんな親たちの迷言を集めてみた!
<遺品・遺産編>
遺言の定番といえば、やはり遺品や遺産の仕分け。
「『遺産は1円単位まで公平に3分割すること』というのが、父が亡くなる間際に3人の子供たちに伝えた遺言です」(38歳・男・設備)、「お前に遺産は一銭も残さない。だから遺産をあてにしないで男としてしっかり働いて稼げ」(39歳・男・通信)、といったごくごく健全なものはともかく、「私の父が私の妻を呼んで『あいつ(俺のこと)にカネを渡すと全部趣味に使ってしまうから、私が遺す預金は、すべてあなたが管理するように』と頼んでいた。なんとも情けない」(40歳・男・商社)、「『神棚に乗っている金杯はアンタにあげる。これで何年かは食べていけるはずだから生活に困ったら売りなさい』とは、母が40代で引きこもりの兄に宛てた遺言。兄は母の葬儀後にソッコーで質屋に持って行ったらしいが、金メッキだったということが判明して買い取ってもらえず……」(32歳・女・銀行)など、親不孝がもたらした切実なメッセージには心が痛む。
<カミングアウト編>
遺言と称した親たちによる、突拍子もない“カミングアウト”も聞き逃せない。
「『クローゼットの中のビーズの白いバッグの中……』と、へそくりの場所を伝えて亡くなった母。父に見つかる前に子供たちで分けろという意味だったらしい」(42歳・男・デザイナー)、「子宮がんを告知された母が、すっきりして死にたいと病床で、『パパとは再婚なの』『若いころに整形しているの』『本当は高校中退なの』と立て続けにびっくりするようなカミングアウト! 母はがんを克服して健在ですが、家族内では母に対して不穏な空気が流れています」(33歳・女・音楽講師)。
さらには、配偶者への不貞を隠そうと子供たちを味方につけて遺言を託す親も。
「『私が死んだら、お父さんにバレないようにこの人に連絡して』と母にアドレスを教えられた。どうやら不倫相手らしい……」(35歳・女・サービス)、「『俺が死んだら真っ先に携帯はトイレに流してくれ』と浮気しているらしい父に日ごろから言い聞かせられている」(37歳・男・自営)。いまわの際に、親たちの知られざる素顔を知らされるのも……複雑な気分。
イラスト/坂本千明
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