ちばあきお先生の名作

『プレイボール』

を読んでいると、
もう100回は
読み返しているというのに、
今さらながら、
半田と鈴木の学年が
ストーリーの途中から

１学年下になっている

ことに気がついた。

　『キャプテン』

でも、近藤キャプテン時代に
正捕手をつとめている
牧野の名前が
イガラシキャプテン時代とは
違っていたりもしている。

なんとも致命的なミスではないか。
そして、それを
そのまま放置しっぱなしにしておく
時代のなんと朗らかなことよ。

　これもひとつのノスタルジー

……なのかもしれない。

　今でも草野球を
だいたい週２回のペースで
やっているが、

脚がめっきり遅くなったり、
ボールがかすんで見えたり、
ズバッと来る内角のストレートに
まったく反応できず
いともあっさり
見逃してしまったり……

と、そんな肉体の衰えを
いやでも痛感せざるを得ない
50歳にも差しかかると、
いわゆる

運動神経

とは、いったい
なんなんだろう？
などと、真剣に考えてしまう。

　もちろん、
身長、筋力や動体視力や反射能力
といった身体能力が
個人の運動神経を
大きく左右するのは
よくわかる。

　でも、それらの能力は
確実に下がってきているはずなのに
いまだ

バコバコ130キロ近い
速球を打ちまくったり、
すいすい盗塁を
決めまくったり、
難しいショートゴロを
あっさりさばいて
鮮やかなノーバウンド送球を
ファーストに放る

私と同じ世代が
まごうことなく
実在するのだ。

　私は、50歳からの
いや、真の
運動神経とは

自分の動く姿を
正確に脳内で
イメージできる能力

だと思う。

　むしろ絵描きに近い資質
なのかもしれない。

　たとえば、自分の
スウィングやスローイングを
客観的に
思い描けることができれば、

自分のフォームを
ムービー録画して
そこから悪い部分を
修正する

作業が
脳→全身
という経路で、
すなわち
自分の身体だけで
しかも、一瞬で
完結してしまうのである。

　イチロー走塁を
自分にダブらせながら
いつも一塁まで
全力疾走している
私は、とてもじゃないが
優れた運動神経の持ち主
だとはいえない
ということだ。

バントは川相をイメージ

ゴメスのバント

　先日、
ひょんなきっかけで出会った
30代前半あたりの男性と
携帯電話の赤外線通信で、
電話番号とメールアドレスの
交換をした。

　その男性は、
西川某
という名前である。

　ちなみに
私の携帯電話は、
今や
「ガラパゴスケータイ」
と呼ばれる
いわゆる

ガラケー

で、登録してある
いろんな人たちの個人情報を
検索するため、
開いた本のマークが印された
ボタンを押すと、
最初にア行の人たちの名前が
順番にラインナップされたものが
画面に表示される
仕組みになっている。

……はずなのに、なぜかその西川さんの名前が
一番てっぺんに
出てきてしまうのだ。

　あれ？　ヘンだなぁ……

と思い、調べてみると、
どうもその西川さん、
カタカナ登録を

「ニシカワ」
ではなく、
「アイ」
に上書きしている

ようなのだ。

　そして、登録情報は
カタカナ登録に従って
整理されるので、
西川さんが一番最初に
出てきてしまうわけである。

「なんで、
そんなことを
するんですか？」

と、意味もなく
怒り口調で
ニシカワ某さんに
で訊ねてみると、

「友だちのケータイの
アドレス帳では
オレの名前が
常に一番上に
あって欲しいんすよ！」

という力強い回答が
返ってきた。

　たしかにニシカワって、
アイウエオ順だと
無茶苦茶中間位置だし……。

　あの『嵐』の名前の由来も

アルファベットにすれば
最初が「A」になるから、
そこに
必ず一番になる！
という意味を込めた

そうだが、
いやはや、
いろんな考え方を
する人がいるもんである。