渡辺浩弐の日々是コージ中
第430回
8月22日「秋到来」
・飼っている鈴虫数十匹が突如同時に鳴き始めた。それに呼応して庭に野生の鈴虫も集まってきた。その音色は微妙にシンクロしてやがて一個の巨大な破鐘を打ち鳴らすような大音響となった。うるさく感じられないことは不思議だ。
8月28日「突出するシーン」
・「国際3Dフェア 2009in TOKYO」実行委員会の定例ミーティング。10月22日からのイベントにいくつか出演することになった。若いクリエーター、それも他ジャンルから「3D」というテーマで映像業界に斬り込んで来ている人達と、いろいろな話をしてみたいと思う。
・ライブも、双方向も、今はネットで出来るのだが、3D映像については今のところはやはりイベントに来て先端ハードウェアに触れてほしいと思う。ただし、3Dの生放送もそのうちに一般化するだろう。ハードの家庭への普及を待つ必要はない。現場から、3D対応の映画館に衛星配信するのだ。
9月1日「引っ越し」
・オフィスの引っ越し中。今まで、中野ブロードウェイのカフェで執筆作業や打ち合わせを、神楽坂のオフィスで会社の事務仕事を、東西線を行ったり来たりしながらやっていた。中野ブロードウェイ内の別の場所に割と広いスペースが見つかったので、オフィスもそちらに引っ越してしまうことにしたのだ。
・カフェのニコ生システムに、オフィスに置いてある映像編集機材を直結することができる。今後、新しい放送の実験をいろいろやってみようと考えている。打ち合わせやブレストの風景なんかも、生放送してみようかな。
第429回
8月19日「ウォーターメロンブレイン」
・高橋名人の自伝「公式16連射ブック 高橋名人のゲームは1日1時間 (ファミ通ブックス)」が届いた。四半世紀前の話だが高橋名人の映画に関わっていた縁で、インタビューに答えさせてもらった。秘芸スイカ割り誕生の秘密、など。
・高橋さんは昔、本当に八百屋でスイカを売ってたのだ。あのアイデアは、高橋さんが、スイカを切らずに指で表面を叩くだけで中身の詰まり方や甘さを確かめる技を教えてくれたことがきっかけで生まれたのだった。
8月20日「下品さギネス級」
・『ザ ハウス オブ ザ デッド:オーバーキル (セガ)』サンプルをプレイ(9/17発売)。うひゃひゃひゃ。HOTDシリーズのWiiオリジナル版だが、イギリスの、相当にぶっとんだセンスのチームが制作したらしく、いい感じで脳みそ溶けそうな仕上がり。
・色あせたフィルムの雰囲気を再現した画像で、身も蓋もない殺戮が繰り広げられる。60~70年代アメリカの深夜映画館やドライブイン・シアターで、酒飲んだりペッティングしたりする若者達の照明として使われつつ過激に進化してしまったグラインドハウス映画への、というかそれを再発見したタランティーノ監督への、リスペクトに満ちている。
・主人公もものすごく下品で、のべつまくなしに「嫉妬!」だの「不惑!」だのと叫び続ける。ギネスに「世界一汚い言葉を使ったゲーム」として認定されたゲームなんだそうな。
8月21日「食料自給率100%への道」
・東京都心で、狭い空間でできる自給自足の方法をいろいろと調べたり試したりしている。例えば、屋根や床に穴を開けたりしながらの一軒家農業。例えば、食用昆虫を飼育する小型牧場。
・最近、知ったこと。雑草を食えばいい。東京の路地裏や道ばたに生えているような雑草でも、約半分くらいの種類は、食べられるのである。汚染されていないものを安定的に収穫する方法が難しいが、これを極めたら、エンゲル係数は一気にゼロとなる。
第428回
8月11日「PS 3D!?」
・10月開催予定の「国際3Dフェア 2009」をお手伝いしている。その関係で、リアルD社の長谷亙二代表のご厚意により「リアルD」システムの専用試写室にお招き頂いた。
・ハリウッド映画をはじめ、ライブコンサート、スポーツなど、最新3Dコンテンツを一気に観る。アメリカでは3D対応の映画館が3000拠点を突破していて、完全に新しいマーケットとなっている。巨費をかけて専用ソフトを制作しても、十分に採算が見込めるのだ。
・最新タイトルを一気に観て、臨界点を突破したな、という印象を持った。赤青メガネの時代からイメージを更新していない人は、最新システムで3Dコンテンツを見たら驚くと思う。カラーテレビやビデオゲームが登場した時くらいの、広い層に伝わるインパクトが、ここにはある。
・8/9付け東京新聞に、PS3が3D対応になるという記事が載っていた。「制御ソフト」を使うということ。すなわち対応のオリジナルタイトルを待つ必要はなく、過去のタイトルでもリアルタイムでポリゴンを動かしている 3D-CGゲームなら立体視で楽しめるようになる、ということだろうか。もしかしたら9月の東京ゲームショウで体験できるかもしれない。
8月12日「ヨシナガさんと」
・ヨシナガさんと打ち合わせ。そう、あの『僕の見た秩序。』の人!
・ヨシナガさんと渡辺浩弐の組み合わせは意外だと思う人がいるかもしれない。実は彼が学生の頃からの付き合いなのである。僕が講師で彼が学生という立場でありながら、逆に僕が教えてもらうことの方が多かったような記憶がある。理系ばりばりの彼がその後、映像アーティストとして頭角を顕わした時には驚いたが、その後おかしなサイト(というか、彼のものの見方の面白さをまんまウェッブに投影する仕組み)を始め、すぐにとんでもない人気を集めてしまった時にはさらに驚いた。多才なのだけど、一本筋が通っている。その筋とは「好きなもの」(ないしは「好きなものに対する自分自身」)に対する責任感、である。
・僕秩を毎日更新しつつ、一流企業に就職し、サラリーマンとしてもきちんと生きてることもすごい。そのノウハウをまとめた『ハイブリッドワーカー』という本が発売になった。「副業という仕組みを使って、クリエーターとしてがんばる!」というものだ。
・さて、そんな彼が誘ってくれたのが小学館&ニフティpresents『瞬刊リアルタイム~世界で一番速い出版イベント~ 第一号(創刊号)』というイベント。なんと、その場で雑誌を作って出版するんだって!! 僕の持ち時間は20分しかないけど、その時間内にできることを、がんばります。
8月13日「東京都心で自給自足」
・トマトが色づいてきた。主食としてはジャガイモの次にサツマイモを育てている。冬季の食糧のことを考えると、実が生る木を植えてみようかなとも考えている。鈴虫はものすごい音量で鳴き始めた。そういえば今年はポケモンラリーに行かなかった。