「下流老人」になりたくなければ新築マンションは買ってはいけない
溢れる希望を胸に購入した住まいが、自らを「下流」に陥らせる危険性がある。
「今の日本で資金計画を十分に考慮せずに住まいを買うことは、将来に対する大きなリスクを引き受けることと同義です。退職金まで住宅ローンの返済に当てないといけないようなプランで家を買ってしまうと、ほとんど資産を持たない状態で老年期を迎えることになりかねません」と警鐘を鳴らすのは、『不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ』の著者、不動産コンサルタントの城戸輝哉氏。
「日本では資産性が低く、換金性も乏しい住まいを所有して、苦しい住宅ローンの縛りを老年期近くまで背負うことが、これまでなかば常識としてまかり通ってきました。長きにわたって『住まいを買ってこそ一人前の大人』と言われ続け、購入後に何が起ころうとそこから逃げることができず、場合によっては経済的に破綻してしまうといったケースも現に起きています。やっとの思いでローンを完済した住まいは老後の資産としても機能しないということは、決して珍しいことではありません」
最近では、「近い未来、日本の高齢者の9割が下流化する」との衝撃的な提言とともに、社会学者・藤田孝典氏の著書『下流老人』が話題になっているが、城戸氏の指摘はこういった社会情勢とも無縁ではない。
「大幅な経済成長が望めず、老後の公的年金も先細ることが確実な今後、間違った住まい選びによって致命的な困窮に陥る人が増えてしまうことが考えられます。ほかの買い物や投資とは額が桁違いのため、住宅購入に関する判断を誤ると現在の収入の多寡にかかわらず、悲惨な老後を迎えるリスクがあります」
なかでも老後の貧困問題と直結する恐れがあるのが「新築マンション」だという。
「新築マンションは資産価値の目減りがあまりにも激しく、購入後すぐに20~30%の価値が失われ、10~20年かけて新築時の5~6割ほどの価格に落ち着くように下がっていくのが平均的な推移。つまり、住宅ローンを長い返済期間で借りた場合、半分も返済が終わらないうちに資産価値が半分以下になっているということが起こるのです。住まいを買うなら将来的な資産性を何よりも重視する必要があります。そういった意味では新築マンションほど危険な買い物はありません。多くの新築好きな日本人は、住まいを買うことが『幸せのゴール』だと勘違いして、わかりやすい幸せのイメージを高値でつかまされているに過ぎません」
そもそも売っている側は、新築マンションを購入することのリスクを十分に承知したうえで消費者に売りつけているという事実を忘れてはいけない。
「本当に不動産の価値をわかっている業界のプロたちは、資産運用として新築マンションを買うことはまずありません。新築に投資しても資産としてのメリットがまったくないからです。むしろ、彼らは中古マンションを購入して自分で住んだり、資産として運用したりしていました。でも、一般消費者の多くが新築をほしがっているのに、わざわざ取引の手間がかかる割に儲からない中古を勧める理由がないので、彼らは消費者に新築を売った儲けで、自分たちは中古で賢く資産運用をしていたわけです」
一生をかけてローンを払い続けた住まいが老後の資産にならない。そのシビアな現実から目を背けてはいけない。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
【城戸輝哉氏】
建築・リノベーションプロデューサー、不動産コンサルタント。自身がCEOを務める「スマサガ不動産」が「営業マン不在・物件広告なし」という業界の常識を覆すスタイルを確立し、口コミとホームページのメッセージだけでクライアントが集まる住まい探しとリノベーションの専門家集団として大きな注目を集める。初の著書となる『不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ』が好評発売中。
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『不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ』 あなたの「住まい探しに関する常識」は間違いかもしれません。
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