「新築マンションは割りに合わない買い物」は不動産業界の常識!?
間違いだらけの家探しが横行する現状を明らかにした著作『不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ』が、大きな反響を呼んでいる不動産コンサルタントの城戸輝哉氏。不動産業界が抱える根深い問題を提起する城戸氏が今回、解説するのは「新築マンションと中古マンションの資産価値」についてです。
家探しをスタートするにあたって、「新築と中古のどちらで探すか?」は、とても大きな分かれ道です。最初は、みなさん、価格が手ごろという理由で中古マンションを探し始めるにもかかわらず、そのうちだんだんと不安になってきがちです。「ただでさえ安い中古物件は、今後も資産価格が大きく目減りしていくじゃないか?」と。
僕のところに相談にいらっしゃるお客さんも、新築マンションのほうが資産価値が安定していると勘違いしていた方が多いです。つまり、新築は将来的に売ったり貸したりしやすい安定した資産で、中古は売ったり貸したりするには不利であると思い込まされています。しかし、その認識はまったく逆で、実は新築マンションは中古マンションよりも値下がりリスクが大きく、圧倒的に“割りに合わない買い物”なんです。
新築マンションの場合、買ってからすぐの値下がり率が一番大きく、買った次の瞬間に売ったら、それだけで2~3割も損することになります。これを「新築プレミアム」といいます。売り主の利益や営業費、宣伝費などが販売価格に上乗せされていることもあり、築15年以上経過して適正な市場価値に近づくまでの過程では、みるみる価格が下がっていってしまうのです。
これは日本において「新築」に対する価値認識が異様に高いために起こる現象です。つまり「新築」という言葉にみんなが幻想を見出しているために、購入者側は余計な負担を背負わされているという現状があります。
もちろん、築15年以上経過した中古マンションを購入した場合も、年を重ねて値下がりする場合はあります。しかし、新築と比べるとその推移は穏やかです。万が一、購入10年後に失職してローンの支払いが厳しくなった場合も、中古マンションなら残債なしで、スムーズに売却できる可能性が高いです。
ところが、新築マンションを長期ローンで購入した人は住まいを売却することすら簡単にできないのです。

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『不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ』 あなたの「住まい探しに関する常識」は間違いかもしれません。 ![]() |
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