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マンションは「新しい=地震に強い」ではない【マンションにおける管理の重要性】

 そして、忘れてはいけないのが管理の良し悪しは、ある程度築年数が経たないとわからないということです。というのも、管理のレベルというのは、マンションを分譲したデベロッパーや管理会社によって左右されるのではなく、住民たちが構成する管理組合によって左右されるからです。  新築マンションの場合、同時に入居する隣人たちの責任感がどのレベルなのか全く予測がつきません。そこが新築マンションの大きなデメリットです。悪いことに、新築マンションを購入する人のほとんどが、有名なブランドの分譲会社が売り主で、そのブランド系列の管理会社が管理していれば、自分の将来は安泰になるんだと思い込んでいます。つまり始めの段階では、ほとんどの住民が管理は他人任せと勘違いして入居してくるんです。  10年後に、ふと「そうか、マンションの管理は自分たち住民の責任なんだ」と気付いたときには、すでにマンションが荒れ放題になっていることだってありえます。そんな状況でも、周りの住民たちが、「ローンの支払いが苦しいから」と修繕積立金の値上げに反対するといった状況に陥ってしまえば、自分の力ではもうどうすることもできません。将来は真っ暗で、自分の住まいの価値がどんどん下がっていくのを、指をくわえて見るしかないわけです。  また、「管理がいい」というのは清掃ができているかとか、修繕が行き届いているか、管理人がしっかり役割を果たしているか、修繕履歴があるかという表面的なことだけではなく、管理費と修繕積立金が適切な方法で管理運用されているかといったことも含めて、しっかり見ていくべきです。適切に資金が運用されているか否かは、今後のマンションの資産価値に大きな影響を与えます。できればこのような点まで踏み込んで意見をくれる専門家といっしょに物件調査ができると理想的です。 「マンションは管理を買え」と言われ続けている理由がおわかりいただけましたでしょうか?将来的な資産価値を予測するためには、管理状況のチェックは不可欠なのです。 <取材・文/日刊SPA!編集部> 【城戸輝哉氏】 建築・リノベーションプロデューサー、不動産コンサルタント。自身がCEOを務める「スマサガ不動産」が「営業マン不在・物件広告なし」という業界の常識を覆すスタイルを確立し、口コミとホームページのメッセージだけでクライアントが集まる住まい探しとリノベーションの専門家集団として大きな注目を集める。初の著書となる『不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ』が好評発売中。
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不動産業界の人だけが知っている新築マンションは買わないほうがいいワケ

あなたの「住まい探しに関する常識」は間違いかもしれません。

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